- 「どうしてこんなに残業が多いの?」
- 「私の職場だけなの?他の病院では残業は少ないの?」
- 「残業を減らす方法はないの?」
このような疑問や不安を抱えている看護師の方は少なくありません。
長時間労働との闘いは、多くの看護師にとって切実な課題です。特に残業が多い病院では、慢性的な人員不足や突発的な急変対応、さらには院内の勉強会や研修の負担が重なり、仕事の質やプライベートな時間に大きな影響を与えています。
しかし、実は残業の少ない働き方も存在します。それを知ることで、看護師としてのキャリアをより豊かに、そして健康的に送ることができるでしょう。
本記事では、以下の重要なポイントについて詳しく解説していきます。
- 残業が多い病院の特徴と対処法
- 残業が少ない診療科目の紹介
- 病院以外で残業が少ない職場の選択肢
- 派遣看護師として残業なしの働き方をする方法
- 残業少なめの職場を見つけるための転職サイト3選
本記事を読むことで、あなたのキャリアに合った理想的な働き方を見付けるための一歩となりますので、最後までぜひ御覧ください。
1. 残業が多い病院の特徴とは
日本看護協会「病院看護実態調査」 によると、看護師の1カ月あたりの平均残業時間は17.4 時間です。
残業が6.0時間以下の看護師が28.3%と最も多い一方、残業時間が月36時間を超える看護師も10.8%います。なぜ病院によって残業時間に差があるのでしょうか。
この章では、残業が多い病院の特徴について解説します。
1-1. 慢性的な人員不足
慢性的な人員不足は、多くの病院で顕著な問題です。特に、人員が足りないために残業が増え、看護師の負担が重くなります。
このような状況では、看護の質も低下する恐れがあり、患者さんへのケアにも影響を及ぼすことが考えられます。また、長時間労働は看護師の健康を蝕み、プライベートな時間も奪います。自身の働きやすさや福祉を考慮すると、この問題は看護師にとって非常に重要です。
転職や職場選びの際には、看護師の配置状況や勤務体制に注目し、人員不足による影響を最小限に抑える選択が求められます。
1-2. 突発的な入院や急変の対応
看護師にとって、突発的な入院や急変への対応は日常業務の一部です。これらは、しばしば予定外の時間外労働を引き起こします。
特に急性期病棟ではこうした状況がより頻繁に発生し、看護師の残業時間が増加する主な要因の一つとなり得ます。
緊急手術の準備や患者の状態急変に応じたケアなど、多岐にわたる対応が必要とされるため、予定された業務時間を大幅に超えることがあります。こうした状況は、看護師の肉体的、精神的負担を高めるとともに、プライベートな時間や家族との時間を削減することにもつながります。
1-3. 院内の勉強会や研修が多い
院内の勉強会や研修は、看護師にとってスキルアップの重要な機会ですが、これが残業の一因になることがあります。
多くの場合、これらは業務時間外に開催され、看護師たちはプライベートの時間を割いて参加します。特に深夜や早朝の勉強会は、身体的な疲労やストレスを増大させる原因となり得ます。加えて、研修が「自己研鑽」の一環として扱われるため、残業として認識されないことも多いです。
このように、職業的成長を促すための研修が、逆に看護師の労働環境を厳しくすることも少なくありません。
1-4. 新人看護師が多い
新人看護師が多い職場では、残業時間が増える傾向にあります。新人看護師は、臨床経験がまだ少なく、多くの指導やサポートが必要です。これにより、ベテラン看護師の負担が増加し、その結果として残業時間が長くなることがあります。
終業後の時間を使って新人の業務をフォローしたり、看護記録のチェックやアドバイスをすることは珍しくないため、これらの業務が残業時間の増加に繋がります。
特に、多くの新人看護師を抱える病院では、熟練者が限られているため、研修や教育のための時間が通常業務に加えられることが一般的です。
2. 残業が少ない診療科目
看護師が残業の少ない職場を求める際、特定の診療科目の選択が重要な役割を果たします。
この章では、残業時間が比較的少ないとされるいくつかの診療科目を紹介し、それぞれの特徴を探ります。
2-1. 回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟は、患者の身体機能の回復をサポートする専門の病棟です。ここでは、患者が骨折や脳血管障害などの治療を経た後、日常生活に復帰するためのリハビリテーションを集中的に行います。
看護師は、理学療法士や作業療法士と連携を取りながら、患者の日常生活への復帰を支援します。この病棟では、病状が比較的安定している患者が多いため、急変する患者の割合が少なく、予定通りに業務が進めやすい環境があります。そのため、残業が少なくなる傾向があるのです。
2-2. 慢性期病棟
慢性期病棟は、慢性的な疾患を持つ患者が主に治療を受ける場所です。ここでは、患者の状態が比較的安定しており、急激な変化が少ないため、急性期病棟と比較して急変や緊急対応が少なくなります。
このため、看護師の業務は比較的計画的に進めやすく、残業時間の短縮にもつながります。また、患者の入院期間が長いため、日々の看護記録やオリエンテーションの必要性も減ります。
ただし、認知症を患っている高齢者のケアには時間がかかることもあり、患者とのコミュニケーション能力が求められます。
2-3. 人工透析内科
人工透析内科は、透析治療に特化した診療科で、看護師の業務は比較的ルーティン化されているため、残業が少ないとされています。
看護師は透析患者の穿刺や透析機器の管理、患者の健康状態の監視などを担当し、透析治療に必要な専門的な知識と技術を要します。
透析治療は通常、患者一人あたり3~4時間程度と決められており、治療スケジュールが定まっているため、看護師は計画的に業務を進めることができます。これにより、突発的な残業が発生することが少なく、効率的な勤務が可能です。
2-4. 皮膚科
皮膚科は一般的に重症患者が少なく、急変や緊急対応が比較的少ない診療科です。このため、看護師の業務は計画的に進められ、残業が少なくなる傾向にあります。
外来では、予約制を導入しているクリニックが多く、終業時間を過ぎる来院がほとんどないため、時間通りに業務が終了しやすいです。また、皮膚科病棟では計画入院や予定手術が中心であり、看護記録などの事務作業も比較的少なめです。
このように、皮膚科はルーティンワークが中心であり、時間内に業務を終えることが可能な職場として知られています。
2-5. 精神科
精神科は、比較的緊急の入院が少なく、計画的なケアが可能な診療科の一つです。患者の状態が安定しているため、急変が少なく、予期せぬ業務の増加が限られています。これにより、看護師の残業時間が少なくなります。
精神科看護では、患者とのコミュニケーションや精神状態のアセスメントが重要ですが、その分、危険手当の支給がある職場も多く、残業が少なくても収入が減ることが少ない点が魅力です。また、外来では予約制を取り入れていることが多く、診療が計画的に進行し、業務の効率化が図れます。
これらの要素から、精神科はプライベートとの両立がしやすい診療科として知られています。
2-6. 健診センター
健診センターは完全予約制で運営され、一日の受診者数が限定されているため、残業が少ない職場として知られています。看護師の主な業務は、問診、各種検査の準備と実施、医師の診察の補助などです。
健診センターでの仕事はルーティン化されており、事前にスケジュールが決まっているので、業務の進行が計画的で効率的です。また、利用者の健康診断をスムーズに進行させるため、看護師はテキパキとした動きと優れたコミュニケーションスキルが求められます。
難しい看護技術や専門知識が必要ないため、ブランクがある看護師や育児中のママ看護師にも働きやすい職場として人気です。
3. 病院以外の残業が少ない職場
残業時間を減らし、質の高いプライベートタイムを確保したい看護師にとって、病院以外の職場が新たな選択肢となるかもしれません。
この章では、そのような代替職場の特徴について考察します。
3-1. 介護施設・高齢者向け施設
介護施設や高齢者向け施設での看護師の業務は、病院の緊張感ある環境とは異なり、比較的落ち着いています。多くの施設では夜間の緊急対応が少なく、日勤のみの勤務形態が一般的です。
業務内容は、入居者の健康管理や服薬管理、医師の診察補助、レクリエーション活動の支援など多岐にわたります。また、高齢者とのコミュニケーションを重視するため、対人スキルが求められます。
介護施設や高齢者向け施設は、夜勤がないため、プライベートとのバランスを重視する看護師に適した職場です。
3-2. 訪問看護
訪問看護は、在宅での看護を必要とする人々のもとを訪れ、必要なケアを提供する職場です。日勤のみで、夜間の対応が基本的にないため、残業も少なく、プライベートの時間を大切にしたい看護師に適しています。
訪問看護の業務内容は、健康状態のチェック、医薬品の管理、基本的な医療処置、健康相談などで、患者一人ひとりに合わせたきめ細やかなケアが求められます。
自分のスケジュールを管理しながら、患者の自宅で看護を行うため、自立した勤務スタイルが可能です。
3-3. 献血ルーム
献血ルームでの看護師業務は、病院勤務とは異なり、夜勤や残業がほとんどないのが特徴です。
主な業務は献血者の健康状態の確認、献血の手続きの補助、献血後のケアなどです。献血ルームは基本的に日中のみの運営であり、勤務時間も定時で終了することが多いです。看護師としては、献血者とコミュニケーションを取りながら、安全に献血を進めるスキルが求められます。
この職場は、プライベートの時間を大切にしたい看護師や夜勤を避けたい看護師に適しています。
3-4. 一般企業の産業看護師
一般企業での産業看護師の役割は、従業員の健康管理と職場環境の向上です。
産業看護師は、従業員の健康診断の実施、健康相談、ストレス管理、急病時の応急処置、職場環境の健康面でのアドバイスなどを行います。一般企業では日勤のみの勤務が基本で、夜勤や残業が少ないのが特徴です。
企業によっては、従業員のメンタルヘルスケアに重点を置いたプログラムを実施していることもあります。産業看護師は、働く人々の健康を守ることで、企業の生産性向上にも貢献しています。
3-5. 保育園
保育園で働く看護師は、主に子どもたちの健康管理と安全の確保を担当します。
業務内容は、健康診断の実施、怪我や病気の応急処置、保健教育、栄養指導、感染症対策などです。保育園の勤務は日中のみで、夜勤や長時間の残業はほとんどありません。また、定期的な健康チェックや子どもたちの日々の健康状態の観察を通じて、予防医療の一環としての役割も果たしています。
子どもたちの成長をサポートすることにやりがいを感じる看護師には、特に適した職場です。
3-6. デイサービス
デイサービスセンターで働く看護師は、高齢者の日中の健康管理とサポートを行います。
この職場は、基本的に日勤のみの勤務で、夜勤や残業が少ないのが特徴です。看護師の業務には、健康状態のチェック、薬の管理、リハビリテーションのサポート、健康教育などが含まれます。利用者は一定の時間内に帰宅するため、業務は予定通りに進むことが多く、残業が少なくなります。
デイサービスでの看護は、高齢者とじっくり関わりながら、やりがいを感じることができる職場です。
4. 派遣看護師で残業のない働き方を選択する
派遣看護師として働くことは、残業の少ない勤務体系を求める看護師にとって魅力的な選択かもしれません。
この章では、派遣看護師の勤務形態とその特徴について詳しく解説します。
4-1. 派遣看護師としての勤務形態
派遣看護師としての勤務形態は、残業を減らし、ワークライフバランスを改善する有効な手段です。
契約に基づいて勤務するため、通常の業務時間を超える勤務は原則として発生しません。これにより、看護師は自身の時間をより自由に使えるようになり、プライベートと仕事の両立がしやすくなります。
派遣看護師として働く際には、派遣会社を通じて仕事を選ぶことができるため、ライフスタイルに合った柔軟な働き方が可能です。
4-2. サービス残業の防止
派遣看護師として働く際、サービス残業の問題に直面することがありますが、法律でサービス残業は禁止されています。
派遣看護師が適正な労働条件で働けるよう、派遣会社はその保護とサポートを行う役割を担っています。もし派遣先で残業やサービス残業を強いられた場合、派遣会社に相談することで適切な対応を取ってもらえます。
このように、派遣会社の存在は派遣看護師の働きやすさを保障し、働く看護師が不利な立場に立たされることを防ぎます。
4-3. 派遣看護師の雇用契約の安定性
派遣看護師として働く場合、雇用契約の安定性が大きなメリットです。派遣会社が仲介することにより、雇用条件や勤務時間が明確に契約書で定められ、職場とのトラブルを防ぐことができます。
この契約によって、残業が発生した場合でも適切な手当が支払われることが保証されています。さらに、派遣会社が派遣看護師の権利を守る役割を担うため、不当な扱いを受けた際には、相談やサポートを受けることができる安心感があります。
このように、派遣看護師として働くことは、雇用の安定性を得ながら、ワークライフバランスを維持するのに役立ちます。
5. 残業の少ない職場の求人に強い転職サイト3選
転職活動において、「残業が少ない」職場を探すことは、多くの看護師にとって重要な要素です。
忙しい日々の中で、プライベートな時間も大切にしたいとお考えの皆さんに、看護師専門の転職サイトの利用をおすすめします。
特に「看護roo!」では、多様な求人の中から残業時間が少ないポジションを見付けやすく、あなたの理想とする働き方を実現できます。
ただ、どのサイトも担当者の良し悪しでサポートの質が変わることがあります。そのため、複数のサイトに登録して比較することが重要です。
各サービスでは求人情報の提供だけでなく、履歴書の添削や面接対策も行っています。転職活動を効率的に進めたい人は、2~3社まとめて登録するようにしましょう。
看護師転職サイトは、以下のような理由から、2~3社の転職サイトに登録しておくことで、より自分に合った転職が可能です。
もし「このサイトは使えないかも」と思った場合も、メールで簡単に退会できます。ですから、転職サイトは2~3社まとめて登録し、多角的に転職活動を進めてみてください。
ここでは、JOBANUSがおすすめする看護師転職サイトを3社ご紹介します。
関連記事 【ライブラリ特集】看護師向けの転職サイトランキング12社
5-1. 看護roo!(看護ルー)
看護roo!(看護ルー)は、看護師の転職に特化したサイトで、年間2万人以上が利用し、その満足度はなんと96%以上。業界内で高い信頼を集めています。
求人数も40,000件以上と圧倒的で、月給42万円以上や年休150日以上など、好条件の案件も豊富です。特に嬉しいのはLINEでのサポート。質問や相談がすぐにでき、応答も迅速です。
面接や履歴書のサポートも手厚く、転職活動が初めての方や不安を感じる方にも強くおすすめできます。
運営会社 | 株式会社クイック |
本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル11F |
会社の拠点 | 全国5拠点(東京、大阪、名古屋、横浜、神戸) |
公開求人 | 5.6万件 |
対応年齢 | 20代 30代 40代 50代 |
求人職種 | 正看護師、准看護師、保健師、助産師 |
対応地域 | 全国 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.kango-roo.com/career/ |
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5-2. レバウェル看護師(旧看護のお仕事)
レバウェル看護師(旧:看護のお仕事)は、転職を考える看護師さんに手厚いサービスを提供する業界トップクラスの転職サイトです。その信頼性から「友達に勧めたいサービスランキング」で1位に輝いています。
求人数は驚異の12万件以上あり、その数は日本最大級。加えて、病院のリアルな口コミやスタッフの声も確認できます。
そして何より、忙しい看護師さんでもLINEで気軽に相談ができ、キャリアアドバイザーからも丁寧な情報提供が受けられます。
運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア24F、25F |
会社の拠点 | 全国11拠点(東京、大阪、名古屋、埼玉、広島、立川、船橋、横浜、札幌、福岡、京都) |
公開求人 | 12.3万件 |
対応年齢 | 20代 30代 40代 50代 |
求人職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
対応地域 | 全国 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://kango-oshigoto.jp |
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5-3. ナース人材バンク
ナース人材バンクは、年間10万人以上の利用者と97%の高い満足度で、看護師転職界の信頼性を証明しています。
地域専任の看護師専門キャリアパートナーが個々のニーズに合わせて最適なアドバイスを提供します。また、病院だけでなく、介護施設など多種多様な求人があり、全国どこでも活躍の場が見つかります。
転職を検討する看護師さんにとって、確かなサポートと多様な選択肢を提供するこのサイトは、一考の価値があります。
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6. まとめ
この記事では、残業が少ない職場への転職を望む看護師に向けて、おすすめの職場をご紹介しました。
看護師の方々は、以下の4つの重要なポイントを抑えることで、残業時間を減らす職場選びが可能です。
特に重要なのは、自分の働き方に合った職場選びです。また、残業時間を減らすためには、看護師転職サイトを利用して、自分に合った職場を見つけることが非常に効果的です。
JOBANUSがおすすめする看護師転職サイト3社は以下のとおりです。
ぜひこの記事の転職を成功させるためのポイントを参考に、職探しにチャレンジしてください。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。