看護の資格を生かして福祉業界で働いてみたいと考えていませんか?
福祉業界には入居者の介護ニーズに合わせて、多種多様な施設があります。その中でも、有料の老人ホームは看護スタッフの求人が増えている介護施設の一つと言えます。この介護施設には、住宅型や介護サービス付、健康なシニア向けなどがあります。
ここでは、そうしたホームでの仕事内容や待遇をご紹介します。これを読めば、どんな人がホームでの仕事に向いているのかが分かります。また、どんな資格やスキルがあると採用されやすいのかも説明しています。
1.有料老人ホームで働く看護師の業務内容
有料老人ホームで働く看護スタッフの業務内容は、入居者の健康管理と医療ケアです。例えば、入居者の体温や血圧などのバイタルを測ることは、日常的な職務です。さらに、医師が常駐していないホームなら、医師の往診対応も行う必要があります。有料ホームには、薬を服用している入居者がたくさんいます。その服薬管理をする事もまた、看護師の大切な職務となります。
入居者の体調の変化や怪我に対しては、応急処置や必要な対応を行います。また、ニーズに合わせて病院へ搬送する際に同行したり、医師へ連絡することもあります。
そして、介護士の職務を手伝うことも有料ホームでの仕事です。排泄介助や移乗介助は、介護士の手が足りない時には看護スタッフも行います。食事の介助に関しても、手伝うことが多いです。
2.有料老人ホームで働く看護師の1日の流れ
- 8:30出勤、申し送り
- 夜間スタッフからの連絡事項、記録を確認し、入居者さんの状態を把握します。
- 9:30健康状態の確認処置など
- 入居者さんの居室を巡回し、血圧体温脈拍の測定や朝の内服の確認を行います。
- 10:00医師の指示に基づく医療処置
- 入居者さんの健康状態に応じて胃ろうや点滴、インスリン投与などの処置を行います。
- この日の入浴がOKかの判断を行います。
- 11:00入浴前後の対応
- 入居者さんの入浴前後の健康状態の把握記録をします。
- 特に入浴後は脱水症状にならないよう水分補給や必要に応じた処置をおこないます。
- 12:00食事のサポート
- 世間話をしながら、健康相談を受けたり健康状態の把握に努めます。
- 嚥下機能の低下や健康状態が気になる入居者さんは食事をサポートします。
- 13:00休憩
- 14:00レクリエーション補助
- リハビリを兼ねたゲームや散歩を行います。
- レクリエーションを通じて参加者通しのコミュニケーションを促します。
- 16:00看護記録の入力
- 日中の健康状態や内服の確認、胃瘻の準備、カルテの記録をします。
- 17:00申し送り
- 日中の状況を夜間スタッフに申し送ります。
有料老人ホームの多くは24時間体制のシフト勤務です。これは、入居者のニーズに24時間体制で対応するためです。3交代のシフト勤務を導入しているところが多いですが、施設によっては2交代制もあります。
勤務時間が始まったら、最初に前シフトの人から申し送りを受けます。これは、入居者の体調について状況把握をするために必要な作業です。バイタル測定は毎朝行うため、シフトの勤務時間によっては行いません。
勤務時間中は、入居者の生活スケジュールに合わせて、必要な作業を行います。例えば、往診の対応をしたり、医師からの指示を受けて医療業務を担当します。医療行為は介護士ではできないため、看護スタッフが対応することになります。また、排泄介助や食事介助なども、入居者のスケジュールに合わせてアシスタントとして手伝います。
仕事は、入居者のケアだけではありません。介護士をはじめとするケアチームに対して、カンファレンスを行うこともあります。そして勤務の最後には、次のシフトに入る看護スタッフに対して申し送りを行います。これが済めば、1日の仕事は終了となります。
3.有料老人ホームで働く看護師の平均年収

有料ホームで働く人の平均年収は、約450万円から500万円程度です。夜勤やシフト勤務などをこなす仕事なので、病院勤務する場合と大きな違いはありません。ただし、看護スタッフには夜勤が求められていない職場や、残業がほとんどない職場もあります。その場合には、夜勤手当や残業手当がなくなることで、年収が下がる傾向にあります。平均年収を見ると、数十万円程度低くなることが多いです。
有料ホームで働いて、できるだけ高収入を得たい方は、夜勤手当の単価をチェックをしましょう。1回の夜勤でどの程度の手当が付くのかによって、年収にすると大きな違いが出てくるからです。
4.有料老人ホームで働く看護の資格・スキル
有料ホームで働くために必要な資格やスキルは、看護の資格以外にもあります。例えば、入居者は高齢者が多く、病気や障害を抱えていることが多いものです。そうした入居者の適切な支援を行うための知識やスキルは、ぜひ持っていたいスキルです。
転職前の経験では、ターミナルケアや認知症ケアなどの臨床経験があると理想的です。その他にも、看護の資格を持ちながらケアマネの資格があると、採用されやすいです。
5.看護師が有料老人ホームで働くメリット・デメリット
看護師が有料老人ホームで働くには、次のようなメリット・デメリットがあります。
〇 メリット | × デメリット |
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それでは、詳しく見ていきましょう。
5-1.有料老人ホーム勤務:メリット
●メリット1:看護資格があると転職しやすい
有料ホームで働く1つ目のメリットは、看護資格保有者にとっては転職しやすい点です。ニーズが高いため、ブランク後でも転職しやすいのは大きな魅力です。また関連性のある診療科目の経験がなくても、看護の資格があれば採用されます。
●メリット2:高齢医療の臨床経験を積める
2つ目のメリットは、高齢者の医療という分野に特化して臨床経験を積める点です。老化や疾病による機能低下を始め、ターミナルケアに関する臨床を経験することもできます。
●メリット3:利用者との触れ合いにやりがいを感じる
3つ目のメリットは、高齢者との触れ合いに大きなやりがいを感じられる点です。入退院による入れ替わりがなく、毎日同じ入居者とコミュニケーションが取れます。その中で間関係を築くことで、大きなやりがいや充実感につながります。
5-2.有料老人ホーム勤務:デメリット
●デメリット1:夜勤がきつい
一方で有料ホームで働くデメリットは、24時間体制のシフト勤務になる点です。週末に休むことは難しく、今日は日勤で明日は夜勤、ということもあるでしょう。家庭や育児と両立したい人にとっては、不規則な勤務時間はデメリットとなります。
●デメリット2:看護スタッフが少ない
看護スタッフの数が少ない点もまた、デメリットと感じる人は多いです。有料老人ホームでは、看護よりも介護スタッフの方が圧倒的に多く、アウェー感があるでしょう。また、先輩から指導してもらえることが少なく、のしかかる責任が重圧となります。精神的なプレッシャーが大きい点も、有料老人ホームで働くデメリットと言えます。
6.有料老人ホーム勤務に向いている人・向かない人
こちらでは、有料老人ホームの勤務に向いている人・向かない人を紹介します。
〇 向いている人 | × 向かない人 |
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それでは、詳しく見ていきましょう。
6-1.有料老人ホーム勤務:向いている人
●介護分野のやリアを築きたい人
有料ホームに向いているのは、介護分野でのキャリアを築きたい人です。医療機関とは異なる介護施設での臨床経験を積めますし、スキルもアップします。将来のキャリアアップのためにも、役に立つのではないでしょうか。
●入居者と人間関係を築きたい人
一人一人の入居者と人間関係を築きたい人にとっても、有料ホームはおすすめです。前述のとおり、入退院をしないために、入居者と向き合う時間は病院よりも長いです。お互いの信頼関係を築くことで、大きなやりがいを感じらるでしょう。
6-2.有料老人ホーム勤務:向かない人
●最新の医療機器・技術を学びたい人
一方、有料ホームに向いていない人は、最先端の医療機器や医療技術を勉強したい人です。毎日たくさんの臨床経験がしたい人にも、有料老人ホームはもどかしさを感じるかもしれません。
●生活リズムを崩したくない人
また、不規則な勤務時間が嫌な人にも、有料の老人ホームでの仕事は向いていません。入居者が24時間体制で暮らすホームでは、スタッフの勤務も24時間が一般的です。しかし中には、看護スタッフは夜勤なしという所も少数ですがあります。夜勤が嫌な人は、そうした職場を探しましょう。
7.有料老人ホームの看護師求人はどう探す?
有料老人ホームの求人は、条件が良い求人なら非公開求人として募集されます。この場合、求人サイトを活用して求人探しをするのが良いでしょう。看護の資格を持つ人の求人情報を専門に取り扱うサイトなら、素早く好条件の仕事が見つかります。
公開求人として募集されている仕事もあります。規模が大きな有料老人ホームなどは、看護スタッフを随時募集していることもあります。公開求人は、ハローワークでも見つけることが可能です。

できるだけ好条件の転職先を探したい人や複数の求人を比較して決めたい人は、求人サイトの方が選択肢が多くなりますのでオススメです!
8.面接や履歴書の志望動機・自己PR例文
志望動機は、どうしてそこで働きたいのかという理由をアピールする項目です。高齢者のケアに関わりたいという熱意をアピールしましょう。介護業界は人手不足ですので、介護施設で働いた経験がなくても採用されるチャンスがあります。
志望動機では、
- これまで内科や外科で臨床経験を積んできました。介護の分野で高齢者と関わりたいという気持ちが強く、臨床経験も学びたいです。貴施設を選んだ理由は、医療ニーズが高い入居者の受け入れも行っているからです。
- これまで医療現場で働いてきました。両親の老後を考えるようになったことをきっかけに、介護分野で働きたくなりました。
などはいかがでしょうか?
自己PRは、志望動機とはアプローチ方法を変えて、自身の性格をアピールしましょう。
- おばあちゃん子として育ってきたため、高齢者が大好きです。看護の資格を生かして、高齢者のケアに貢献したいと考えています。
- 人のお世話をすることが大好きで、看護の仕事を選びました。看護スタッフのニーズが高い介護分野で、高齢者のお世話をしたいです。
9.まとめ
今回の記事では、有料の老人ホームで働く看護スタッフの仕事内容や待遇について説明しました。
有料老人ホームで働くことには、メリットもあればデメリットもあります。必要な資格や適性なども確認した上で、自身の転職候補先として検討してはいかがでしょうか?
介護施設における看護スタッフのニーズは、高まり続けています。経験値やスキルを身に着けることで、将来のキャリアアップにもつながるかもしれません。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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