せっかく転職先が決まったのに、「あなたがいなくなったら困る」「考え直してほしい」など、上司からの引き止めに悩んでいませんか?
引き止めによって退職日がズルズルと引き伸ばされると、望まない仕事を従事し続けるだけではなく、最悪の場合、転職先の内定が取り消しになることもあリますので、注意が必要です。
そこで今回は、上司から引き止められたときの対処法についてお伝えします。
上司にとって引き止めやすい退職理由と、引き止めにくい退職理由もあわせて紹介しますので、参考にしてください。
1. 退職理由は嘘を言っても良い?
退職の理由は人によって様々です。その理由を正直に伝えた方が良いのか、それとも波風立てないように嘘を言った方が良いのか、とても迷いますよね。
結論としては、明らかな嘘の理由はリスクが高いので避けたほうが良いでしょう。
病院業界は狭い世界で、意外なところで繋がりを持っています。
嘘の理由で退職できたとしても、転職後にバレてしまい、その後の業務に支障をきたすことも考えられます。
ただ、正直に退職理由を伝えてたとしても、退職理由が人間関係や収入面だと引き止めに合い、すんなり退職を認めてくれないでしょう。
そこで、次章からは、上司が引き止めに合いにくい退職理由と、これは言わない方が良い退職理由をそれぞれお伝えします。
2. 上司が引き止めにくい4つの退職理由
こちらでは、上司が引き止めにくい退職理由を4つご紹介します。
紹介する退職理由の傾向としては、現在の職場では実現することが難かしく、上司が納得せざるを得ないものが多いです。
2-1. 引き止めにくい退職理由①|別の仕事をしてみたい
例えば、次のような理由で退職を考えている方がいるとします。
- 看護師の仕事が嫌になったので別の仕事がしたい
- 看護師の資格を生かして病院以外の仕事がしてみたい
このような場合は「資格を生かして別の仕事がしてみたい」と伝えるのが良いです。
「看護師が嫌になった」と言うと、なぜ嫌になったのかと根掘り葉掘り聞かれるので、言わない方が良いでしょう。
2-2. 引き止めにくい退職理由②|病院とは違う施設で働いてみたい
このような理由はスキルアップに繋がりますので、前向きな理由として受け入れられやすいです。
現在、病院勤務であれば「次は介護施設や訪問看護をしたい」、急性期病院勤務であれば「慢性期病院で働きたい」など、今の勤務先では経験できない施設で働きたいと言うと、師長や看護部長も納得してくれるでしょう。
2-3. 引き止めにくい退職理由③|資格を取るために勉強したい
認定看護師や専門看護師になりたいのでそのための勉強がしたい、というのも引き止めにくい退職理由になります。
例えば、認定看護師審査を受けるためには通算5年以上の実務経験が必要で、そのうちの3年以上は取得を希望する認定看護分野で経験を積む必要があります。
今の病院でこれらの専門分野の取り扱いがなければ、引き止めようがありませんから、すんなり辞めることができる可能性が高いです。
2-4. 引き止めにくい退職理由④|家庭の事情で働けない
結婚や出産の予定があるとか、家族に介護や看護が必要な人がいるなど、家庭の事情であれば、あまり強く引き止められることはありません。
家族の介護などはやむを得ない事情であると受け止められ、病院側も退職を認めざるを得ないでしょう。
3. 上司が引き止めやすい4つの退職理由
こちらでは、上司に言うと引き止められる可能性が高い退職理由を4つご紹介します。
特に労働条件や人間関係、収入面を退職理由にすると、引き止められたときの対処が難しくなります。なぜなら、これらの理由は退職しなくても改善が可能だからです。
3-1. 使わない方が良い退職理由①|残業ばかりできつい
残業ばかりで定時で帰れないことを退職理由にすると、「業務内容を見直すから考え直して」とか「あなたの仕事のやり方が悪いのでは」と言われることでしょう。
ご存じのように、看護師は常に人手不足です。業務量が多いのは仕方がないとされ、たとえ業務内容を見直すと言ってもいつ実現するのか分かりません。
見直すと言う言葉を信じて待っていても、一向に残業が減らないまま働き続けることになりかねませんので、この理由は避けた方が良いです。
3-2. 使わない方が良い退職理由②|給与に不満がある
「給料の額に不満があるから辞める!」とストレートに伝えるというのは、心象を悪くしてしまう理由です。
給与への不満は、あなたの努力と病院側の評価が合わなかったことによるものです。
そのことを伝えないと、「あなたは給料に見合う仕事をしている?」とか「お金のことしか考えていないの?」とマイナスに受け止められてしまいますので、注意しましょう。
3-3. 使わない方が良い退職理由③|人間関係に疲れて嫌になった
人間関係に悩んで辞めたいという人は多いのです、ただ、これを退職理由として言ってしまうと、「誰とトラブルになっているの?」と聞かれます。
○○さんとでも答えたら、「○○さんとは勤務が重ならないように配慮するから」とか、「○○さんにそれとなく言ってみるから」などと言われ、かえって人間関係がこじれる可能性があります。
また、個人名を言わなくても、「人間関係がどうなっているか調べて対処するから、少し時間をちょうだい」などと言われ、退職を引き延ばされてしまうでしょう。
3-4. 使わない方が良い退職理由④|夜勤などの勤務がきつく感じる
夜勤の負担を退職理由にした場合、夜勤を外す、夜勤の回数を減らす、できるだけ日勤のみにするなど対応をしてくれるかもしれませんが、一時的なことです。
「夜勤ができる人が来るまで夜勤に入って欲しい」「今募集しているから…」などと言われて、退職を先延ばしにされることがあります。
ただ、いつまで経っても新しい職員が入ってこず、結局ずっと働き続けることになります。
4. 上司から引き止められたときの4つの対処法
前述の引き止めにくい退職理由を告げたにも関わらず、それでもなお引き止めてくることがあります。
そんな時はどうすれば良いのか、その対処法を4つお伝えします。
4-1. 引き止めの対処法①|退職する旨をはっきりと伝える
何度も面談を繰り返すのに疲れてしまい、諦めてしまったり、うまく丸め込まれたりすることがないよう、その都度、自分の意思をはっきりと伝えてください。
「転職する」と決めた時がベストな時期です。
「あなたが必要だ」「不満な点は改善する」「残された看護師の負担が増す」など言って来られても、意思を貫き通すことが大切です。
4-2. 引き止めの対処法②|退職届を出す
退職の意志は、上司に「辞めさせてください」と口頭で伝え、その後「退職願」を出すのが一般的です。
ただ、退職を引き止められ、退職願を受理してくれないケースもあり、このような場合には転職先に多大な迷惑をかけることになります。そうならないためにも「退職届」を提出することをおすすめします。
退職届は、提出してから2週間後には確実に辞めることができます。退職届を出してから2週間以上、勤務先に拘束する権利はなく、もし引き止めた場合には法律違反となります。
4-3. 引き止めの対処法③|転職エージェントの力を借りる
転職エージェントの中には、退職をフォローしてくれるところがあります。
「辞めると伝えたのになかなか辞めさせてくれない」など困ったことがあれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。
転職エージェントは求人紹介だけでなく、困りごとにも対応してくれますので、登録しておくと心強いパートナーとなってくれるでしょう。登録は無料ですので、登録して損はないでしょう。
5. 引き止め|お決まりの7つのパターン
引き止め方にはお決まりの7つのパターンがあります。
パターン別の対処法をまとめましたので、参考にご覧ください。
5-1. 引き止めパターン①|待遇の改善を持ちかけられる
給与面で不満があると言った場合、「待遇を改善する」と言って引き止めてくることがあります。
給与の改善は上司の一存で決められるものではありません。
その場しのぎの口約束で、残留してみたら何かと理由をつけて現状維持がオチです。
書面で具体的な金額が示されない限り、あまり信用しないほうが良いでしょう。
こういった提示は、きっぱりと断るべきです。
5-2. 引き止めパターン②|情に訴えかける
最もよくあるのがこのパターンです。
「あなたはこの病院に必要な人材だ」「あなたに代わる人材はいない」などと言われたら心が揺らいでしまうかもしれません。
そんなときは、今までのことを思い出してみましょう。
この言葉が心に沁みるのであれば退職を考え直しても良いですが、そうでない場合は全く聞く必要はありません。
なぜ「退職したい!」と思うようになったのかを振り返り、冷静に対処しましょう。
5-3. 引き止めパターン③|他の部署への異動はどうかと言われる
「人間関係が原因で辞める」と言うとこのような話を出してきますが、多くはその場しのぎの言葉です。頭から信用することはありません。
他にやりたいことがあり、この病院では実現できないことを伝えることが懸命でしょう。
5-4. 引き止めパターン④|退職日を交渉してくる
退職する日を後ろ倒しにしてくることがあります。
少しでも引き延ばそうと考えているのですが、次にやりたいことが決まっているのなら、この提案には応じる必要はありません。
ただし、急な退職で十分な引き継ぎができていない場合は、希望日に退職できないケースもあります。
希望する退職日から逆算して1~2ヶ月前に退職の意志を伝えるなど、前もって退職スケジュールを立てておくことが重要です。
退職スケジュールの立て方は次の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
5-5. 引き止めパターン⑤|恩に着せられる
お世話になった上司から「今まで目をかけてきたのに」とか「~してあげたのに辞めるって」などと恩に着せてくることがあります。
こんなことを言われても揺らがない、強い意思を持ちましょう。
あなたには新しい転職先が既に決まっているはずです。
転職先の上司に迷惑をかけないよう、「次の転職先がきまっている」などと伝え、誠意を持ってお断りしましょう。
5-6. 引き止めパターン⑥|脅してくる
大変残念ですが、「患者や職場の皆に迷惑をかけることになるよ」「絶対に後悔することになるよ」などと、引き止めるために脅してくることもあります。
あまりにひどい時は、一人で抱え込んではいけません。
家族や仲間、同期に相談して、それでも解決しないようでしたら労働基準監督署に介入してもらうと良いです。
労働基準監督署へ事情を話すことで、病院側へ直接指導の電話を入れてもらうことが可能です。また、電話相談により退職のアドバイスをもらうこともできます。
5-7. 引き止めパターン⑦|不安を煽るようなことを言う
上司がキャリアの不安を煽るようなことを言う場合があります。
このときに重要になってくるのが、退職理由や目的が明確になっているかという点です。
現在の職場で目標が実現できないのであれば、不安を煽られても気持ちが揺らぐことはないはずです。
ただ、「単純に楽な仕事がしたい」「何となく違う仕事なしたい」という安易な理由で退職を考えているようであれば、不安な気持ちを感じることでしょう。
その際は、上司の言うとおり退職は一旦保留にして、今後のキャリアプランを改めて考えなおすべきでしょう。
キャリアプランを立てるときの「自己分析」のやり方については、次の記事で解説しています。
6. 上司が引き止めを行う4つの理由
退職を申し入れた看護師を引き止めるのは、病院側や上司にそうせざるを得ない理由があるからです。
その理由は、主に次の4つがあります。
6-1. 引き止めを行う理由①|人員不足になる
まずは「人員不足になる」です。
この理由が、引き止める一番の理由でしょう。
「自分1人辞めたくらい、たいしたことはないだろう」と思うかもしれません。
しかし、1人の退職者が与える影響は思っている以上に大きいものです。
なぜなら、看護師はチームで仕事をしていることがほとんどです。
抜けた穴は他の看護師でカバーする必要があるため、仕事量や負担は確実に増えます。
ただでさえ看護師は人手不足ですし、病院経営も決して順風ではないと思いますので、余剰人員は抱えていないはずです。
そのため、人手不足にならないよう、必ずと言っていいほど引き止めを行うのです。
6-2. 引き止めを行う理由②|職員採用に手間やコストがかかる
次に「職員採用に手間やコストがかかる」です。
1人辞めるのだから、また1人採用すれば良いのでは?と思うかもしれません。
しかし、職員を採用するためにはハローワークに求人を出したり、転職サイト経由で募集をかけたりと、非常に手間がかかります。
応募があると、書類選考や面接をしなければなりません。
そのために人手を取られ、現場はますます大変になるでしょう。
転職サイト経由で募集をかけた場合には、手数料として1人あたり100万円程度が必要と言われています。
看護師1人を雇用するのに、病院側は莫大な費用を負担しているのです。
職員採用に手間とコストをかけたくない病院側としては、退職者はできるだけ出したくないのが本音なのです。
6-3. 引き止めを行う理由③|職員を育てるのに手間と時間がかかる
次に「職員を育てるのに手間と時間がかかる」です。
看護師の業務は現場によってやり方が違うため、他の病院で経験を積んだ看護師を採用したとしても、また一から教育する必要があります。
退職した人と同等レベルのスキルに育てるまでには時間がかかるため、教育する看護師の負担も相当なものになるでしょう。
負担に耐えかねた看護師が退職に追い込まれると、残された看護師の負担が更に増して、その結果また新たな退職者を生む…。
負の連鎖に陥るこのような状況は、病院側としては絶対に避けなければなりません。
6-4. 引き止めを行う理由④|上司の管理責任が問われる
引き止めを行う理由の最後は「上司の管理責任が問われる」です。
病院によっては、看護師の退職を上司(師長など)の管理責任能力が不足していると評価するところがあります。
もしも上昇志向が強い上司であれば、このような評価をされることを極端に嫌います。
現場に穴が空くのを避けたいというのもありますが、自分自身への評価を考えて、辞めるという人を引き止めることがあるのです。
特に、中心的な役割を担っていた看護師が退職の意向を伝えたときほど、この傾向は強くなります。
7. まとめ
看護師が退職を伝えたら、必ずと言っていいほど引き止められます。
しつこく引き止められてなかなか辞められないということがないよう、引き止められた時の対処法を覚えておきましょう。
引き止める側にも理由があるのですが、ここで揉めて後味の悪い退職になることは避けたいものです。
強い意思を持って退職理由を述べれば、理解してもらえ、円満に退職できます。
誰もが納得できる理由を言えるようにしておきましょう。
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