- 「退職を言い出したら、どんな引き止めをされるんだろう…」
- 「退職理由は正直に話した方がいいのかな?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
看護師の転職において、最も心理的なハードルとなるのが上司からの引き止めへの対応です。
本記事では、以下のポイントについて詳しく解説していきます。
- 上司に伝えるべき退職理由と避けるべき理由
- 引き止められた時の具体的な対処法と上司の心理
- 看護師の転職を強力にサポートする転職サイトの選び方
この記事を最後まで読めば、引き止めに悩まされることなく、スムーズな転職活動を進められるようになります。
1. 退職理由は嘘を言っても良い?
退職理由は、あえて全てを正直に話す必要はありません。ただし、明らかな嘘は避けるべきです。
退職の際に悩むのが理由の伝え方ですが、上司への伝え方は戦略的に考える必要があります。医療業界は意外と狭く、嘘がバレると信用を大きく損なう可能性があるためです。
スムーズな退職を実現するためには、以下のような対応がおすすめです。
- 家庭の事情や体調面など、反論されにくい理由を選ぶ
- 職場への不満は極力言及しない
- 建設的な表現を心がける
特に人間関係や待遇面の不満を理由に挙げると、しつこい引き止めの対象になりやすいです。そのため、相手が受け入れやすい理由を選択することが重要です。
また、退職後のキャリアへの影響も考慮しましょう。医療業界での評判は意外と広まりやすく、将来の転職にも影響を与える可能性があります。
2. 上司が引き止めにくい退職理由4つ
退職を申し出る際、上司からの引き止めに困惑する看護師は少なくありません。しかし、退職理由の伝え方次第で、スムーズな退職が可能になります。
この章では、上司からの引き止めを最小限に抑えられる効果的な退職理由4つを紹介していきます。
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2-1. 引き止めにくい退職理由①:別の仕事をしてみたい
別の仕事への挑戦を理由に退職する場合、上司は引き止めづらい立場になります。なぜなら、キャリアアップを目指す姿勢は前向きな印象を与えるからです。
ただし、伝え方には工夫が必要です。単に「今の仕事が合わない」という否定的な理由ではなく、「資格や経験を活かしながら新しい分野にチャレンジしたい」という建設的な表現を心がけましょう。
〈引き止めにくい退職理由の例文〉
- これまでの看護経験を活かし、企業の健康管理室で働きたいと考えています。
- 医療機器メーカーで、現場目線の製品開発に関わりたいと思います。
- 訪問看護ステーションを開業し、地域医療に貢献したいと考えています。
- 看護師の経験を活かして医療系の教育機関で後進の育成に携わりたいです。
このように具体的なキャリアプランを示すことで、上司も応援せざるを得ない状況を作り出すことができます。
私の経験では、キャリアアップを理由にした退職は非常に通りやすいですね。例えば、『訪問看護の現場で在宅医療のスキルを磨きたい』『認定看護師を目指したい』といった具体的な目標を示すと、上司も応援してくれやすいです。
2-2. 引き止めにくい退職理由②:病院とは違う施設で働いてみたい
異なる医療施設での経験を積みたいという理由は、看護師としてのキャリアアップを目指す姿勢として評価されます。この理由は、上司からも前向きな決断として受け止められやすい退職理由の一つです。
特に、現在の施設では経験できない分野でのスキルアップを目指すという意思表示は、看護師としての成長意欲を示すことができます。また、より専門的なケアや特定の患者層との関わりを持ちたいという思いも、説得力のある理由となります。
〈引き止めにくい退職理由の例文〉
- 訪問看護の現場で、在宅療養者様に寄り添うケアを学びたいと考えています。
- 高齢者施設で、慢性期の看護やターミナルケアの経験を積みたいと思います。
- 健診センターで、予防医療の分野に携わりたいと考えています。
- 企業内診療所で、働く人々の健康管理に関わりたいと思います。
施設を変えることで新しい看護の視点や技術を習得できるというメリットを強調すると、より説得力が増します。
2-3. 引き止めにくい退職理由③:資格を取るために勉強したい
より高度な専門性を身につけるための退職は、上司も応援せざるを得ない理由です。特に、認定看護師や専門看護師などの資格取得を目指す場合は、看護界全体の質向上に貢献する選択として受け止められます。
資格取得には一定期間の実務経験や専門分野での経験が必要なため、現在の職場環境では要件を満たせない場合、上司も引き止めることが難しくなります。また、看護師のスキルアップを目指す姿勢は、医療現場全体にとってもプラスとなります。
〈引き止めにくい退職理由の例文〉
- がん看護の認定看護師資格取得のため、がん専門病院での経験を積みたいと考えています。
- 助産師の資格を取得して、周産期医療に携わりたいと思います。
- 保健師として地域の健康管理に貢献するため、資格取得を目指したいと考えています。
- 感染管理の専門看護師を目指すため、専門的な学びの時間が必要だと考えています。
看護師のスキルアップを目指す姿勢は、医療現場全体にとってもプラスになります。特に認定看護師や専門看護師を目指す場合は、現場の理解も得られやすく、円満退職につながりやすいポイントです。
2-4. 引き止めにくい退職理由④:家庭の事情で働けない
家庭の事情による退職は、上司も引き止めることが難しい最も理解を得やすい理由です。特に、結婚、出産、介護などのライフイベントは、誰にでも起こり得る避けられない事情として受け止められます。
このような私的な理由の場合、詳細な説明は必要最小限に抑え、要点を簡潔に伝えることが重要です。上司も過度な詮索を避ける傾向にあります。
〈引き止めにくい退職理由の例文〉
- 配偶者の転勤に伴い、来月から関西に転居することになりました。
- 実家の両親の介護のため、地元に戻ることを決意しました。
- 妊娠に伴い、体調管理のため一旦退職させていただきたいと思います。
- 家族の健康上の都合により、介護に時間を割く必要が出てきました。
家庭の事情による退職は、再就職の可能性も含めて上司の理解を得やすいため、円満退職につながりやすい理由となります。
3. 上司に引き止められやすい退職理由4つ
退職理由の中には、上司の説得を招きやすいものが存在します。こうした理由を伝えると、引き止めが長期化し、退職のタイミングが遅れる可能性があります。
この章では、上司から強い引き止めを受けやすい退職理由4つについて詳しく解説していきます。
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3-1. 避けるべき退職理由①:残業ばかりできつい
残業や業務負担を退職理由にすると、必ず引き止められる可能性が高いため避けるべきです。この理由を伝えると、改善を約束されるものの、実現までに時間がかかることがほとんどです。
多くの病院では慢性的な人手不足が続いており、残業は避けられない問題として認識されています。そのため、上司からは「業務の効率化を図る」「シフトの見直しを行う」といった対応策を提示されるでしょう。
しかし、これらの改善策は即効性に欠け、多くの場合根本的な解決には至りません。また、「あなたの時間管理に問題があるのでは」と、個人の能力の問題にすり替えられる可能性もあります。
〈避けるべき退職理由の例文〉
- 毎日残業が多く、体力的に限界を感じています。
- 夜勤の負担が大きく、体調を崩すことが増えました。
- 業務量が多すぎて、ワークライフバランスが保てません。
残業の問題を直接的に伝えると、必ず改善案を提示されて引き止められます。代わりに『ワークライフバランスを見直したい』『キャリアアップのために時間が必要』といった前向きな理由を伝えることをお勧めします。
3-2. 避けるべき良い退職理由②:給与に不満がある
給与への不満を退職理由として伝えることは、上司との関係を悪化させる可能性が高いため避けるべきです。このような理由を伝えると、引き止めの対象になりやすく、円満退職の妨げとなります。
上司から見ると、給与への不満はあなたの仕事の評価と直結する問題です。そのため、「給与に見合う働きができているのか」という能力への疑問に展開される可能性があります。また、「昇給の機会があるから待ってほしい」という説得を受けることも考えられます。
さらに、金銭的な理由での退職は、モチベーションや仕事への姿勢を疑問視される原因となりかねません。これは推薦状の作成や今後の人的ネットワークにも影響を与える可能性があります。
〈避けるべき退職理由の例文〉
- 現在の給与では生活が厳しいです。
- 他院の方が給与条件が良いようです。
- 残業代が思っていたより少ないです。
3-3. 避けるべき退職理由③:人間関係に疲れて嫌になった
職場の人間関係を退職理由に挙げることは、状況をより複雑にする可能性が高いため避けるべきです。この理由を伝えると、具体的な対象者の特定を求められ、問題が拡大する恐れがあります。
上司は通常、職場の人間関係の調整を自身の責務と考えています。そのため、「勤務シフトの調整」や「部署異動」などの対策を提案され、退職の引き止めに遭うことがほとんどです。
さらに、人間関係の問題を指摘すると、当事者間の仲裁が行われる可能性があります。これにより、退職までの期間がさらに居づらい環境となったり、噂が広がったりする可能性も考えられます。
〈避けるべき退職理由の例文〉
- 特定の先輩との関係に悩んでいます。
- 職場の雰囲気に馴染めません。
- 人間関係のストレスで体調を崩しています。
3-4. 避けるべき退職理由④:夜勤などの勤務がきつく感じる
夜勤の負担を退職理由として伝えることは、引き止めの主な対象となるため避けるべきです。この理由を伝えると、一時的な対応策を提案され、退職時期が先送りになる可能性が高くなります。
上司からは「夜勤回数の調整」や「シフトの変更」などの提案を受けるでしょう。しかし、これらの対応は人員補充が実現するまでという条件付きであることがほとんどです。慢性的な人手不足の医療現場では、新しい職員の採用までに相当な時間がかかることも珍しくありません。
また、「他のスタッフへの影響」を指摘され、退職時期の再考を求められる可能性も高くなります。結果として、不本意な継続勤務を強いられるリスクがあります。
〈避けるべき退職理由の例文〉
- 夜勤の回数が多く、体力的に厳しいです。
- 夜勤明けの体調管理が難しくなってきました。
- 不規則な勤務体制に慣れません。
4. 上司に引き止められたときの対処法4つ
前章では、上司に引き止められやすい退職理由について解説しました。実際に、そのような理由で退職の意思を伝えると、上司から強い引き止めを受けるケースが少なくありません。
この章では、上司に引き止められた時の効果的な対処法について詳しく見ていきましょう。
4-1. 引き止めの対処法①:退職する旨をはっきりと伝える
退職の意思が固まったら、明確に伝えることが重要です。曖昧な態度は引き止めの機会を増やし、結果的に退職時期が遅れる原因となります。
上司から「条件改善」や「部署異動」などの提案があっても、毅然とした態度を保ちましょう。特に、「他のスタッフへの影響」や「人員不足」を理由に、感情的な説得を受けることもあります。
そのような場合でも、前向きな表現を心がけ、退職までの予定を具体的に説明することで、上司の理解を得やすくなります。また、引き継ぎへの協力を自ら申し出ることで、円満な退職に近づけることができます。
〈退職意思を伝える例文〉
- この度、一身上の都合により退職させていただきたく存じます。
- 慎重に検討した結果の決断ですので、ご理解いただけますと幸いです。
- 引き継ぎについては責任を持って対応させていただきます。
退職の意思を伝える際は、できるだけ早い段階で人事部門にも相談することをお勧めします。上司との1対1の交渉では感情的になりやすく、退職時期が後ろ倒しになるリスクがあります。
4-2. 引き止めの対処法②:退職届を出す
退職届の提出は、確実に退職するための最も有効な手段です。上司からの引き止めに悩まされている場合、退職届を提出することで法的な退職権利を確保できます。
退職届と退職願の大きな違いは、その法的効力にあります。退職届は労働者の権利として認められた法的文書であり、提出から2週間経過後には会社側に拒否する権限がないことが民法で定められています。
一方で、退職願は会社からの承認が必要となる願い出の文書です。そのため、引き止めが予想される場合は、最初から退職届を提出することをお勧めします。
ただし、退職届を提出する際は以下の点に注意が必要です。
- 提出先は必ず人事権のある上司や人事部門とすること。
- 提出日と退職予定日を明確に記載すること。
- 内容証明郵便で送付するか、受領印をもらうこと。
- 提出後は2週間以上の勤務を確保すること。
4-3. 引き止めの対処法③:看護師転職サイトの力を借りる
退職交渉で行き詰まったときは、看護師転職サイトのサポートを活用することで状況を打開できます。特に看護師の場合、業界に精通したキャリアアドバイザーが豊富な経験に基づいたアドバイスを提供してくれます。
看護師転職サイトは以下のような支援を提供してくれます。
- 退職時期や引き継ぎの期間に関する助言
- 退職届の作成サポート
- 上司との面談時の対応策アドバイス
- 労働法規に基づく権利の説明
- 転職先との調整サポート
専門的な知識を持つキャリアアドバイザーが介入することで、感情的になりがちな退職交渉を冷静に進められるというメリットがあります。
キャリアアドバイザーは転職後のキャリアプランまで見据えたアドバイスができるため、長期的な視点でのサポートも期待できます。
5. お決まりの引き止めパターン7つ
看護師が退職を申し出ると、上司は様々な説得の手法を駆使してきます。多くの場合、その説得には共通のパターンが存在し、心の準備があれば冷静に対応できます。
この章では、上司が頻繁に使用する引き止めの定番パターン7つを詳しく解説していきます。
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5-1. 引き止めパターン①:待遇の改善を持ちかけられる
待遇改善の約束は、ほとんどの場合その場しのぎの口約束に過ぎません。具体的な金額や時期が書面で示されない限り、信用すべきではありません。
多くの場合、上司には待遇改善を即断で決定する権限がありません。にもかかわらず、「給与アップを検討する」「役職をつける」などの曖昧な提案をしてくることがあります。このような提案に応じて残留を決めた場合、以下のような事態に陥りやすくなります。
- 「予算の都合で今期は難しい」と先送りされる
- 「他のスタッフとのバランスを考慮する必要がある」と保留される
- わずかな待遇改善で話を終わらせられる
- 約束と異なる内容に変更される
退職を決意した理由が待遇面だけでない場合は、特に慎重に判断する必要があります。
5-2. 引き止めパターン②:情に訴えかける
感情的な引き止めは、看護師の退職時に最も多く見られるパターンです。「あなたがいないと困る」「患者さんのことを考えて」といった言葉で揺さぶられることがあります。
このような発言の背後には、以下のような上司の本音が隠されています。
- 代替人材の確保が難しい
- 引き継ぎの負担を避けたい
- シフト調整の手間を省きたい
- 人員不足による業務への影響を懸念している
感情的な説得を受けたときは、自分が退職を決意した理由に立ち返ることが重要です。「私がいなくても病院は回る」という事実を冷静に受け止め、感情に流されず判断しましょう。
看護師として患者さんや同僚への思いは大切ですが、自身のキャリアや健康を優先することは決して非合理的な選択ではありません。
感情的な説得は現場でよく見られますが、あくまでも冷静に対応することが重要です。『患者さんのため』という言葉に揺さぶられやすいですが、自身のキャリアを考えることも大切な選択です。
5-3. 引き止めパターン③:他の部署への異動はどうかと言われる
部署異動の提案は、根本的な問題解決にならないケースがほとんどです。特に、人間関係や職場環境を理由に退職を申し出た場合、この提案が持ちかけられやすいでしょう。
この提案には以下のようなリスクが潜んでいます。
- 新しい部署での人間関係構築の負担
- 異なる診療科での新たなスキル習得の必要性
- 希望しない部署への配置の可能性
- 異動後も組織の体質は変わらない
退職の本質的な理由が、キャリアアップや給与面など、部署異動では解決できない問題である場合、この提案に応じる必要はありません。むしろ、「新しい環境でスキルアップしたい」といった前向きな理由を伝えることで、建設的な退職交渉が可能になります。
5-4. 引き止めパターン④:退職日を交渉してくる
退職日の交渉は、適切な引き継ぎ期間を確保しつつ、自身のキャリアプランも考慮して判断する必要があります。その際、最低2週間の予告期間は法的に保証された権利であることを覚えておきましょう。
退職日の交渉では、以下のような要請がよくあります。
- 代替人材が見つかるまで待ってほしい
- 年度末まで残ってほしい
- 繁忙期を過ぎるまで延期してほしい
- 新人の育成が終わるまで待ってほしい
次の就職先が決まっている場合は、あまり柔軟な対応は避けるべきです。一方で、十分な引き継ぎ期間を確保することは、看護師としての評判にも関わるため、合理的な範囲での調整は検討する価値があります。
5-5. 引き止めパターン⑤:恩に着せられる
恩義を盾に取った引き止めは、感情的な揺さぶりの一種です。「今まで育ててきた」「特別に配慮してきた」といった言葉で心理的な負い目を感じさせようとする手法です。
このような説得を受けた時は、以下の点を冷静に考えましょう。
- これまでの仕事は給与に見合った対価として提供してきた
- 指導や配慮は職場の当然の環境整備である
- キャリアアップは看護師として自然な選択肢である
- 恩義と将来のキャリアは別問題である
看護師としての成長のために転職を決意したのであれば、それは前向きな選択です。「ここでの経験を活かして、さらなる成長を目指したい」と伝えることで、建設的な対話が可能になります。
5-6. 引き止めパターン⑥:脅してくる
脅しによる引き止めは、明確なパワハラに該当する行為です。「評価を下げる」「紹介状を書かない」といった脅迫的な言動は、絶対に許されるものではありません。
このような状況に直面した場合、以下の対応が有効です。
- 会話の日時や内容を詳細に記録する
- 会話の証拠として録音を残す
- 信頼できる同僚や先輩に相談する
- 労働組合がある場合は支援を求める
深刻な場合は、躊躇せず労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は匿名での相談にも対応してくれます。また、必要に応じて弁護士や看護師転職サイトに相談することも検討してください。
5-7. 引き止めパターン⑦:不安を煽るようなことを言う
不安を煽る言動は、退職を思いとどまらせる典型的な心理操作です。「転職先でやっていけるか不安」「今の環境が最善ではないか」といった発言で、あなたの決意を揺るがそうとします。
このような説得に対しては、以下の点を意識しましょう。
- 自身のキャリアプランは明確か
- 転職による具体的なメリットは何か
- 現在の職場の課題は解決可能か
- 転職市場での自分の価値を理解しているか
看護師は慢性的な人材不足で、転職市場での需要は極めて高い状況です。明確な目標と計画があれば、キャリアアップの機会は十分にあります。
6. 上司が引き止めを行う理由4つ
上司による引き止めの背景には、病院運営に関わる様々な事情が隠されています。こうした事情を理解しておくことで、引き止めへの対応をより適切に行うことができます。
この章では、上司があえて引き止めを行う本質的な理由4つについて詳しく解説していきます。
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6-1. 引き止めを行う理由①:人員不足になる
人員不足の懸念は、上司が引き止めを行う最も一般的な理由です。特に看護業界では、慢性的な人材不足により、一人の退職が職場全体に大きな影響を与えます。
退職による影響は以下の点で現場に波及します。
- 残されたスタッフの業務負担増加
- シフト調整の困難化
- 新人教育の遅延
- 患者ケアの質への影響
- チーム体制の再編成必要性
多くの医療機関では必要最低限の人員で運営されているため、突然の退職は現場に大きな混乱をもたらす可能性があります。そのため上司は、組織の安定性を保つために、時には強引な引き止めを行うこともあります。
人員不足は深刻な問題ですが、それを理由に自身のキャリアを諦める必要はありません。むしろ、十分な引き継ぎ期間を設けて丁寧に対応することで、円満な退職につなげることができます。
6-2. 引き止めを行う理由②:職員採用に手間やコストがかかる
看護師一人を採用するためには、病院側に多大な時間とコストが発生します。特に、看護師転職サイト経由での採用では、一人当たり100万円前後の費用が必要です。
看護師の採用プロセスには以下のような負担が伴います。
- 求人広告の作成と掲載費用
- 採用担当者の人件費と時間的コスト
- 面接官の確保と時間調整
- 各種書類作成や手続きの事務負担
- 入職後の教育研修費用
また、採用活動中は現場スタッフにも様々な負担がかかります。書類選考や面接への立ち会い、内定者の職場見学対応など、通常業務に加えて採用関連の業務も発生するためです。
6-3. 引き止めを行う理由③:職員を育てるのに手間と時間がかかる
新しい看護師の育成には、想像以上の時間と労力が必要です。たとえ経験者を採用しても、各医療機関特有の業務フローやシステムへの適応に時間がかかります。
新人教育には以下のような課題があります。
- 病院独自の電子カルテシステムの習得
- 部署特有の業務手順の理解
- 医師や他職種との連携方法の習得
- 患者対応スタイルの統一
- 夜勤体制への順応
熟練看護師の退職は、教育担当者の不足にも繋がります。その結果、残されたスタッフの教育負担が増加し、更なる退職を誘発する負のスパイラルに陥りやすくなります。
6-4. 引き止めを行う理由④:上司の管理責任が問われる
看護師の退職は、上司の人材マネジメント能力を評価する重要な指標とされています。特に、中堅看護師や主力メンバーの退職は、上司の評価に大きく影響します。
上司の評価に影響を与える退職関連の要因には以下があります。
- 部署の年間退職率
- ベテラン看護師の流出状況
- 若手看護師の定着率
- 退職理由の傾向
- 部署の雰囲気や人間関係
そのため、上司は自身の評価を守るために、時として感情的な引き止めを行うことがあります。特に昇進や異動を控えた上司は、退職者を出すことに極めて敏感になります。
7. 退職引き止めの対処に強い転職サイト3選
退職を申し出た際に現職場からの引き止めに直面することは、決して珍しいことではありません。特に看護師のような専門職では、そのスキルと経験が高く評価され、退職の意思を固めても引き留められるケースがしばしば見られます。
転職は、あなたのキャリアと将来の目標に対する真剣な思いから生まれる選択です。そんな時、看護師専門の転職サイトが強力なサポートを提供します。例えば「看護roo!」では、退職プロセスのサポートや、引き止めに対する適切な対処法のアドバイスを受けることができます。
ただ、どのサイトも担当者の良し悪しでサポートの質が変わることがあります。そのため、複数のサイトに登録して比較することが重要です。各サービスでは求人情報の提供だけでなく、履歴書の添削や面接対策も行っています。転職活動を効率よく進めたい方は、2~3社まとめて登録することをおすすめします。
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もし「このサイトは使えないかも」と思った場合も、メール一つで簡単に退会できます。ですから、転職サイトは2~3社まとめて登録し、多角的に転職活動を進めてみてください。
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転職を検討する看護師さんにとって、確かなサポートと多様な選択肢を提供するこのサイトは、一考の価値があります。
8. まとめ
今回の記事では、看護師の退職と上司からの引き止めについて説明しました。
「上司から引き止められたけど、退職すべきなの?」「何と言えば、上司は引き止めを諦めてくれるの?」といった悩みを抱える看護師は、本記事で紹介した下記の重要なポイントをおさえることで、スムーズな退職を実現できます。
何より大事なことは、自分の意思を貫き、新たなキャリアに向けて一歩を踏み出すことです。
また、優秀な看護師の退職は病院にとって痛手となるため、引き止めに遭うケースが少なくありません。そのため、看護師転職サイトを活用してキャリアアドバイザーに悩みを相談したり、条件に合った職場を効率良く探すことをおすすめします。
JOBANUSがおすすめする看護師転職サイト3社は以下のとおりです。迷ったらこの3社を併用することをおすすめします。
ぜひこの記事の転職を成功させるためのポイントを参考に、職探しにチャレンジしてください。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。