晴れて希望の転職先が決まった看護師さんにとって、現在働いている職場に退職の意志を伝えることは、転職活動の最後のハードルと言えます。
これまでお世話になった職場ですので、できるだけ円満に退職したいですよね。
そこで本記事では、円満に退職するために必要な退職意思や退職理由の伝え方や引き止めにあったときの断り方、退職手続の注意事項などについて解説していきます。
この記事を読めば、あなたも円満に退職して、晴れ晴れとした気持ちで新たなステップを踏み出すことができますよ。
円満退職するための事前準備で必要な6つのステップ
看護師が現在の勤め先を円満に退職するためには、事前準備が欠かせません。
退職の事前準備には次の5つのステップがあります。
- 退職意志を1~3ヶ月前までに伝える
- 退職を伝える勇気が出ないときの対処法を考えておく
- 引き止められた時の対処法を考えておく
- 退職手続きを漏れなく行う
- 有給休暇を完全消化する
- 最終日に感謝の気持ちが伝わるスピーチをする
それでは、退職の事前準備に関する5つのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1|退職意志を1~3ヶ月前までに伝える
退職まで適切な手順を踏めば、職場と揉めることなく円満に退職できます。
適切な手順を踏むためには、退職意思をいつ伝えるべきか知る必要があります。
退職意思を伝えるタイミングは3ヶ月前がベスト。
それより短い場合でも、せめて1ヶ月前に伝えておくのがマナーです。
例えば「転職が決まったので1週間後に退職したいです」と切り出したとします。
この場合、職場の人にどう思われるでしょうか。
職場ではさまざまな人が連携を取り、分担して仕事を進めています。
特に看護師業界は慢性的な人手不足に悩まされています。
急に退職すると誰かにしわ寄せがくるのは言うまでもありません。
また引き継ぎが不十分ですと職場が混乱し、患者様の命に関わることも。
そのため、退職意思はできるだけ早く伝えてください。
退職意志を伝えるタイミングは、次の記事でも詳しく解説しています。
ステップ2|退職を伝える勇気が出ないときの対処法を考えておく
次のような理由で退職を伝える勇気が出ない方もいます。
- 現在の勤め先には大変お世話になったし…
- 退職したいと言ったら上司に何と言われるか怖い…
そこで、勇気を出して退職意志を伝える4つの対処法をご紹介します。
方法①:転職活動を始めた理由を思い返す
転職活動を始めた理由を思い返えしてください。あなたは何のために転職活動を決意しましたか?
- 収入アップのため
- スキルアップのため
- 看護師として新しいことを経験したい
など夢や希望の実現のため転職を決意したはずです。
退職の意向を伝えることをためらい、月日だけが経過するとどうなるでしょう。
退職希望日が近づき、慌てて退職の意向を伝えても「こんな直前に言われても困ります!」「あと1ヶ月はここで働いてください!」と言われるのがおちです。
こうなると転職先で働き始める時期にズレが生じます。
その結果、内定が取り消しになる恐れもあります。
夢や希望の実現のためには、まずは行動に移すことが重要であることを肝に銘じましょう。
方法②:話す内容を文字に起こす
次のような上司に対して話す内容を文字に起こします。
- お話ししたいことがあります。この後5分程お時間いただけますでしょうか
- 単刀直入にお話しします。実は退職を考えております
文字にすることで話す内容を事前にイメージできます。
これにより緊張せずにスムーズに話を切り出せるでしょう。
退職意志を伝えると、往々にして上司から退職理由や転職先を聞かれます。
「職場環境など改善できそうなことなら何でも言ってほしい!」と引き止められることもあります。
このような状況を想定し、事前に想定問答を作ることをおすすめします。
こうすることで、上司に対し自身を持って冷静に対応できます。
方法③:周囲の人に相談する
自分自身で考え込んで、解決策が見出せない時もあります。
そんな時、誰かに相談することで、頭の中で考えが整理されて本心に気付けたり、アイディアがひらめくことがあります。
勇気が出ないときは、信頼できる人に相談し、背中を押してもらいましょう。
職場の内情をよく知っている同僚なら、あなたの仕事ぶりを踏まえて相談に乗ってくれますし、気持ちを後押ししてくれるでしょう。
職場の人に相談しにくいのなら、相談相手は家族や友人、恋人でも構いません。
方法④:何とかなると楽観的に考える
楽観的に考えることができれば、退職意志を伝えるハードルが下がります。
「越えられない山はなし」という言葉があります。
この世で起きる事柄は、何とかできることしか存在しないのです。
自分なりに誠意を尽くして取り組めば、相手に必ず伝わります。そもそも身構える必要はないのです。
ただ、転職の理由が明確であれば退職意志を伝えやすいことは確かです。
そのため、上司に話す前に再度、転職理由を整理しておきましょう。
退職の意志を伝えるときに勇気が出ない方は、次の記事をあわせてご覧ください。
ステップ3|引き止められた時の対処法を考えておく
看護師業界は慢性的な人手不足で悩まされています。
そのため退職を切り出すと往々にして引き止めに合うでしょう。
対処法は、退職理由を明確にして、なぜ転職を決意したのかを忘れないこと。
引き止めを断るときは、相手の顔色を伺ってはいけまっせん。
はっきりとした口調で伝えてください。
それでは、引き止めパターンに応じた対処法を見ていきましょう。
パターン①:あなたに辞められたら病院の業務が回らなくなってしまう
まずは、あなたが今までどれだけ職場に貢献し認められてきたかを情で訴えてくるケースです。
この場合は、次のようにはっきりと退職したい旨を伝えればOKです。
ありがとうございます。そう言っていただいて、とても嬉しく思います。
このまま続けさせていただくことも検討しましたが、スキルアップしていきたいという私の希望を今の職場では叶えられないと判断しました。
大変申し訳ありませんが、退職したいと思います。
パターン②:退職時期を予定より遅らせてほしい
次に、退職時期を予定より遅らせてほしいと訴えてくるケースです。
次のように、退職時期の調整を提案されることがよくあります。
- 今募集しているから新しい人が採用できるまで
- 先日採用された人が職場に慣れるまで
- この繁忙期が終わるまで
退職によって少なからず病院側に迷惑を掛ける事になります。
このような場合は、数週間程度であれば応じた方が円満に退社できます。
ただし、退社時期をうやむやにされていると感じたときは、提案を断ってください。
パターン③:退職を撤回してくれたら給料をアップする
最後に、労働環境の改善を提案してくるケースです。
「退職を撤回してくれたら給料をアップする」「残業が負担になっているなら業務量を減らす」などが該当します。
提案された内容が退職理由で、そこが改善されるのなら撤回しても良いでしょう。
そうでないなら、次の例文のようにはっきりと意向を伝えましょう。
いろいろと考えてくださり、ありがとうございます。
ただ私の退職理由とは合致しませんので、やはり退職させていただきたいと思います。
転職の引き止めの対処法は、次の記事で詳しく解説しています。
ステップ4|退職手続きを漏れなく行う
退職時には、各種書類を提出する必要があります。記入例を見ながら、漏れのないよう書類を作成してください。
また、勤め先から貸与品(制服、備品)は返却しなければなりません。
忘れないよう身の回りの物を再確認しましょう。
注意したいのは、「離職票」をいつ受け取れるのかということです。
離職票とは離職を公的に証明する書類で、失業手当の手続きで必要になります。
離職票が郵送などで手元に届くまで、退職後10日間~2週間程度かかります。
転職先から提出を求められる書類もあるので、よく確認しましょう。
分からないことは、それぞれの相談窓口へお問い合わせください。
退職の手続きと注意点の詳細は、次の記事をご覧ください。
ステップ5|有給休暇を完全消化する
有給休暇は従業員に与えられた権利です。
しかし、職場によっては取りづらいところも多いのではないでしょうか。
残っている有給休暇は、退職時に完全消化したいものです。
有給休暇の完全消化は、上司とのスケジュールのすり合わせが重要です。
まず、退職の意思と退職希望日を上司に伝えます。
上司の引き止めや引き継ぎの都合で、退職日は調整が必要になることもあります。
次に、退職日が決まったら、有給休暇の取得開始日を決めます。
退職日から遡っていつから有給休暇を取得すれば完全消化できるか確認します。
有給休暇を取得すると退職日は先でも職場に来なくなります。
引き継ぎ期間も含めて計画を立ててください。
有給休暇を完全消化するためには、逆算して計画を立てることが重要です。
計画が決まったら、いかに早く行動に移すかが円満退職の決め手となります。
もし勤め先から次のように退職日ぎりぎりまで働くように言われたら…。
- 有給休暇を完全消化するなんてあり得ない!
- そんな前例はない!
「有給休暇は従業員に与えられた権利です。全て取得させていただきます!」と毅然とした態度で接しましょう。
有給休暇の完全消化の詳細は、次の記事をご覧ください。
ステップ6|最終日に感謝の気持ちが伝わるスピーチをする
退職するときには、最終日に上司や同僚の前でスピーチします。
スピーチをしない場合は、メールを送ることが一般的です。
感謝の気持ちが伝わるスピーチとはどのようなものでしょう。
一例をご紹介しますので、参考にご覧ください。
私事ではございますが、この度一身上の都合で退社いたします。
これまで皆様にたくさんご迷惑をお掛けいたしましたが、いつも優しくご指導くださりありがとうございました。
今後もここで学んだ経験を活かして頑張ってまいります。
本当にありがとうございました。
退職の挨拶には必ず「感謝の気持ち」を入れてください。
そして今後の抱負や意気込みを添えると、前向きな印象を残すことができます。
退職日の挨拶については、次の記事で例文を使って解説しています。
まとめ
退職の意思を伝えるタイミングは1~3ヶ月前がベストです。
もし退職を伝える勇気が出ない時は、次の4つの対処法を試してください。
- 話す内容を文字に起こす
- 転職活動を始めた理由を思い返す
- 周囲の人に相談する
- 何とかなると楽観的に考える
上司から退職を引き止められることがあります。
この場合は、相手の顔色をうかがってはいけません。
はっきりとした口調で退職の意志を伝えましょう。
有給休暇は労働者に与えられた権利です。
退職時には完全消化しましょう。
有給休暇の完全消化は、上司とのスケジュールのすり合わせが重要です。
退職日から逆算してスケジュールを立てて、早めに動き始めてください。
退職日にはお世話になった同僚に感謝の気持ちをスピーチで伝えてください。
円満退社できることを心から願っています。
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