看護師の資格を生かして、企業で働いてみたいと思いませんか?
産業看護師(企業看護師)は、病院ではなく企業の医務室や健康管理室などで働く看護師のことです。ここでは、看護の資格を生かして企業で働きたい人のために、仕事内容や収入をご紹介します。どんなスキルが必要なのか、またメリットやデメリットがあるのでしょうか。
この仕事は、向き不向きがあります。この記事で「自分がこの仕事に向いているか?」についても知ることができますよ。
1.産業看護師(企業看護師)の業務内容
病院に勤務する看護スタッフは、病気やけがの患者さんの対応が主な業務です。しかし、企業で働く場合には、入院する患者さんのケアをする事はありません。
イメージとしては、学校の保健室で働く保健の先生と言えば、分かりやすいでしょう。働く場所は企業内に設置されている健康管理室や医務室です。そこで、仕事中に体調が悪くなった人のケアをしたり、怪我の手当を行います。健康管理室や医務室で対応できない場合には、速やかに病院へ搬送する手配をします。
企業で働く際には、社員からの健康に関する悩み相談に対して、適切なアドバイスもします。また産業医と連携し、健康診断の手配や対応も行います。健康トラブルを抱えている人に対しては、面談を行って指導することもあります。

そこで働く社員の健康管理をするのが、産業看護師(企業看護師)の主な職務なのです!
2.産業看護師(企業看護師)の1日の流れ
- 9:00始業
- 1日のスケジュールを確認したり、メールのチェックをします。
- 社員の方から相談や問い合わせがあれば、日程調整を行い対応します。
- 10:00面談のセッティング
- 職員の検診結果を確認し、健康指導が必要な方に連絡したり再検査を促します。
- 緊急の対応が必要な場合は産業医に報告し、社員との面談の日程調整を行います。
- 11:00職員との面談
- 面談の際には同席し、カルテの作成やバイタルチェックなども行います。
- 12:00昼食
- 13:00カルテの入力
- 健康診断の結果を電子カルテに入力します。
- 蓄積された検診結果に基づいて、職員の健康管理を行います。
- 15:00研修資料の作成
- 毎月1回行われる安全衛生委員会の資料や、社内報の原稿を作成します。
- 人事部主催の健康推進研修の資料などを作成します。
- 16:00人事部の職員と職場巡回
- 職場の作業環境を見て、安全衛生上問題ないか確認します。
- 職場巡回を通して従業員との関係づくり、職場全体の理解に努めます。
- 17:00退勤
- 基本的に残業はありません。
- 残業になったとしても、残業手当がしっかり出る会社がほとんどです。
病院に勤務する看護師は、24時間体制のシフト勤務となることが多いです。しかし企業で働く看護職の勤務時間は、その他の社員と同じです。基本的には平日の朝から夕方までの勤務時間に固定されていることが多いです。
産業看護職(企業看護師)の1日は、企業の始業時間と共にスタートします。まず最初にすることは、1日のスケジュールを確認したり、メールのチェックです。朝の雑務が一段落したら、産業医との面談を希望する人のセッティングをします。産業医と連絡を取りながら日時を決め、面談希望者へメールや電話で伝えます。そして、その社員のカルテを準備することも仕事です。また、面談の際には同席し、カルテ作成やバイタルチェックなども行います。
医務室に足を運ぶ社員がいない時にも、やることは沢山あります。研修資料の作成や健康診断のフォローアップ、産業医との打ち合わせなどを行います。
3.産業看護師(企業看護師)の平均年収

平均年収は、約450万円~500万円程度です。企業によって若干の違いはあり、大企業では年収がさらに高くなる傾向にあります。夜勤や残業することもほとんどなく、毎日定時出社と定時退社ができます。そう考えると、この平均年収はかなり高待遇と言えるのではないでしょうか。
この仕事の給料は、基本給に加えて、他の社員と同様に各種手当が付きます。そして看護の国家資格を持っているということで、資格手当も上乗せされます。待遇という点に関しては、一般企業に勤務する社員と同じ給料形態と言えます。
4.産業看護師(企業看護師)の資格・スキル
産業看護師(企業看護師)の仕事をするには、看護師の資格を持っていなければいけません。この資格には、正看護師と准看護師がありますが、どちらでもOKです。
企業で働く看護師の仕事は、基本的に予防医療に従事するのが主な役割となります。そのため、特定の診療科における経験が必要ということはありません。しかし、看護の仕事に従事したという経験は必要なので、経験値があることが重視されます。

新卒でこの仕事に就職することは難しいため、多くは中途採用(経験者採用)となるでしょう。
5.産業看護師(企業看護師)のメリット・デメリット
看護師が企業で働く場合には、次のようなメリット・デメリットがあります。
〇 メリット | × デメリット |
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それでは、詳しく見ていきましょう。
5-1.産業看護師(企業看護師)のメリット
●メリット1:毎日の勤務時間が固定されている
仕事と家庭、育児を両立したい人にとっては、理想的な勤務時間ではないでしょうか。土日と祝日にも休めるので、家族や子供と一緒に休日を過ごせます。
●メリット2:体力的に負担が少ない
メールのチェックや電話対応など、デスクワークが中心となります。そのため、体力的に立ち仕事はキツイという人にとってもおすすめです。また命にかかわる患者さんの対応もなく、精神的な負担も軽減できます。
●メリット3:通勤にスーツを着てオシャレができる
通勤の際には、他のサラリーマンやOLと通勤時間が同じになります。オシャレを楽しめるというワクワク感があることは新鮮でしょう。
5-2.産業看護師(企業看護師)のデメリット
●デメリット1:臨床に携わることが難しい
病気やけがの対応をすることがほとんどなく、職務は主に予防医療です。看護のスキルを生かしたキャリアアップは難しいでしょう。将来は病院へ戻って働きたいという人にとっては、この点は大きなデメリットです。
●デメリット2:同僚が少ない
職場によっては、1人のスタッフが健康管理室を切り盛りすることもあります。同僚が少ないということは、先輩から指導を受ける機会も少ないということです。また、責任がすべて自分にかかるという点は、心理的なプレッシャーとなります。
6.産業看護師(企業看護師)に向いている人・向かない人
こちらでは、産業看護師に向いている人・向かない人を紹介します。
〇 向いている人 | × 向かない人 |
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それでは、詳しく見ていきましょう。
6-1.産業看護師に向いている人
企業で働く看護師の仕事は、医療機関以外の場所で働きたいという人におすすめです。看護の資格を生かして医療業界以外で働くことは、新鮮な経験ができるでしょう。
また、仕事と家庭や育児を両立したい人にとっても、この仕事は向いています。勤務時間が固定で残業もないため、プライベートなスケジュールを立てやすいです。
企業における労働環境を改善したい人にとっても、この仕事は向いています。会社員がかかりやすい生活習慣病やストレス性の心疾患などを学ぶことができます。
6-2.産業看護師に向かない人
一方で、臨床経験を積んで専門看護師や認定看護師になりたい人はこの仕事に向いていません。産業看護師(企業看護師)は、特定の診療科で経験とスキルを積むことができません。医療業界でのスキルアップを考えている人にとっては、避けたほうが良いでしょう。

ただし、メンタルヘルス分野においては、たくさんの経験を積むことが可能です。この分野でキャリアを積みたい人は、企業で働くという選択肢もアリでしょう。
7.産業看護師(企業看護師)の仕事の見つけ方
産業看護師(企業看護師)の求人は、転職サイトで募集されることが多いです。
企業で働く看護師の仕事は、病院勤務よりも体力的にも精神的にも負担が少ないという魅力があります。そのため、看護スタッフの転職先として人気が高い職種です。求人募集が出るとあっという間に大勢が応募して、締め切られてしまいます。そのため、企業へ転職したい人は、こまめに求人をチェックが必須です。求人が出たらすぐに応募できるように、履歴書や職務経歴書を準備しておきましょう。
いつどんな求人が出るかは、誰にも分かりません。しかし、転職サイトを利用すれば、キャリアアドバイザーが求人紹介を始めとした幅広いサポートをしてくれます。企業で働きたい看護師さんに対しても、速やかに応募できるようサポートしてくれます。
8.面接や履歴書の志望動機・自己PR例文
看護スタッフの仕事探しでは、最初に書類審査があり、通過すれば面接審査をします。履歴書や職務経歴書の内容を企業が見て、それに対する質問をされます。その中でも多くの人がどのようにアピールすれば良いのか迷うのが「志望動機」です。
志望動機は、これまでの自身の経験をどのように生かせるかという点がポイントになります。心療内科での経験があれば理想的かもしれません。しかし、他の診療科でもスキルと経験を生かせる点をアピールしましょう。
自己PRは、自分の性格や魅力をアピールするのが良いかもしれません。
- 誰とでも打ち解けられる性格で、聞き上手と言われています。
- コミュニケーション能力に自信があり、仕事を通して貢献したいです。
- メンタルヘルスについて勉強をしています。臨床の場だととらえて貢献したい。

自身の性格が社員の健康に貢献できることをアピールしましょう。
9.まとめ
今回の記事では、産業看護師(企業看護師)について仕事内容や待遇などについて説明しました。具体的にどんな仕事なのか、イメージしやすくなったのではないでしょうか?
人気がある転職先なので、求人募集を見つけることは容易ではないかもしれません。しかし、求人サイトを活用しながら、根気よく求人募集を定期的にチェックしましょう。
企業で働くことは、ワークライフバランスの向上にもつながります。ぜひこの記事を参考にして、自分にピッタリの転職先を見つけてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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