看護の資格を生かしながら、予防医療や保健の分野で働いてみたいと思いませんか?
この仕事は、看護の資格とは別に保健の資格が必要となります。本記事では、保健師という仕事について、仕事内容や資格取得方法をご紹介します。働き方は、公務員として行政に携わる他、学校や企業で働く選択肢もあります。
この記事を読むことで、保健に携わる人の働き方や待遇などを知ることができます。もしもこれから看護の資格を生かして転職を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
1.保健師の種類
この仕事は、どの職場で働くかによって、いくつかの種類に分類できます。職場は違っても、異なる資格が必要というわけではありません。
●行政機関(行政保健師)
1つ目は、行政保健師です。保健の資格を取得した後に公務員の試験に合格する必要がある点が特徴です。保健関連の仕事に従事している資格者の7割は、この公務員として働いています。給料は公務員の給料規定によって定められています。
●一般企業(産業保健師)
2つ目は、産業保健師です。企業で働く社員の健康管理や職場環境の改善に貢献します。大規模な企業が多く、夜勤も残業もありません。給料や待遇は、大企業の規定に従うため、高条件で働ける職場が多いという特徴があります。
●学校(学校保健師)
3つ目は、学校保健師です。つまり、保健室で働く保健の先生です。小中学校はもちろんですが、大学や専門学校などにも配置されていて、公立や私立など幅広い職場があります。教諭の免許状が必要となる他、免許状取得の後には教諭試験を受験する必要がある点が特徴です。
●病院(病院保健師)
4つ目は、病院保健師です。病院付属の健診センターで働く保健師さんは、人間ドッグなどの健康診断で病気予防のためのアドバイスを行います。訪問看護ステーションで働く保健師さんは、在宅療養している患者さんの生活をサポートします。
2.最短で保健師になる方法
保険関連の仕事をするためには、保健師という国家資格を取得する必要があります。看護学校に通っている人なら、看護も保健もダブル受験で一度に取得できます。しかしすでに看護の資格だけを持っている社会人は、保健養成学校に通うのが最短です。
この養成学校は、約1年制で必要な単位を修得できます。大学へ進学する場合には、大学3年次へ編入する形になります。その場合には、必要な単位取得には2年間かかることになるので、注意が必要です。
受験資格を得たら、年に1回開催される国家試験を受験して、合格しましょう。合格率は90%を超えるため、きちんと準備すれば決して難しい試験ではありません。
3.保健師の業務内容
保健師の仕事は、人々が健康に生活するための支援やサポートを行うことが主な職務です。
行政で働く人なら、地域住民の健康をサポートをしたり、イベントの企画があります。健康診断の計画や手配をしたり、乳児がいる家庭を訪問することもあるでしょう。企業で働く人なら、医師と連絡して健康診断の手配や健康管理室の運営をします。また学校で働く人なら、学校環境の改善や保健指導を行うことも仕事です。
この仕事には、看護師の資格が必要です。しかし、病院勤務の人が行うような注射や点滴などの医療行為は行いません。病院のように、怪我や病気の患者さんが診察に来ることもありません。あくまでも予防医療に特化した支援やサポートを提供することが仕事です。
4.保健師と看護師の違い
保健師 | 看護師 | |
仕事内容 |
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対象者 |
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勤務先 |
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どちらも看護の資格を持っているという点では、共通しています。しかし、働く職場が大きく異なるほか、仕事内容にも大きな違いがあります。
まず看護師は主に、病気やケガをした患者さんの治療をメインに行います。予防医療を行う病院もありますが、あくまでも診療メニューの一環です。一方、保健師は予防医療が主な仕事で、病気やけがの治療には対応しません。この点で、大きな違いがあります。
職場も大きく違います。看護師は、病院やクリニックなどの医療機関が主な職場です。しかし保健師は、行政や企業、学校などが主な職場となります。病院に勤務する保健師は、ごく少数と言えます。
5.保健師の平均年収

病院勤務する看護師と比べると、平均年収は高い傾向があります。その理由は、大企業や公務員など、待遇面が充実した職場が多いからです。職場によって年収は異なるものの、夜勤や残業無しで年収400万円~700万円程度です。
この仕事は、パートでの募集は少なく、ほとんどが正社員もしくは正規職員です。そのため、毎年少しずつ給料が上がったり、ボーナスの支給も期待できます。その点もまた、平均年収が高くなる理由の一つと考えられます。
規則正しい勤務時間で精神的なストレスが少なく高待遇という点は、大きな魅力です。そのため、少ない求人募集に対して大勢が殺到する、大激戦の仕事となっています。職場を変えて保健師の仕事をしたい人は、根気よく求人を探して応募する必要があるでしょう。
6.保健師のメリット・デメリット
看護師が看護師として働くには、次のようなメリット・デメリットがあります。
〇 メリット | × デメリット |
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それでは、詳しく見ていきましょう。
6-1.保健師として働くメリット
●メリット1:社会貢献度が高い
1つ目のメリットは、社会貢献度が高い点です。予防医療に携わる中で、たくさんの人の健康と生活をサポートします。特に行政機関で働く人は公共性が高い仕事ができ、大きな充実感を得られます。
●メリット2:活躍できる業種が多岐に渡る
2つ目のメリットは、活躍できる場所や業種が多岐に渡る点が挙げられます。この資格を持っている人の半数以上は行政で働いています。そのため、行政は全国各地にあり、働ける可能性がある職場も全国各地にあります。さらに、行政以外にも学校や大企業など、活躍できる場所は多種多様です。
●メリット3:夜勤や残業が少ない
3つ目のメリットは、夜勤や残業がない点です。育児や家庭と両立したい人にとっては、とても働きやすい労働環境が多いでしょう。週末や祝日には必ず休めるなど、ワークライフバランスを取りやすい点も魅力です。
●メリット4:高待遇な仕事が多い
4つ目のメリットは、高待遇な仕事が多い点です。大企業や公務員など、高待遇で手厚い福利厚生の恩恵を受けることができます。病院勤務よりも給料が高く、勤務時間が規則正しい点は大きな魅力と言えます。
6-2.保健師として働くデメリット
●デメリット1:看護師としてスキルアップが難しい
1つ目のデメリットは、臨床現場から離れてしまう点が挙げられます。将来看護の資格を生かしてスキルアップしたい人には、物足りないかもしれません。
●デメリット2:病院への転職が難しくなる
2つ目のデメリットは、病院への転職が難しくなる点です。上記の通り、臨床現場から離れてしまうため、スキルや経験の面で不利となってしまいます。
●デメリット3:求人が少ない
3つ目のデメリットは、求人が少ない点があります。もともとの採用数が少ないうえ、離職率も低いため、求人が出にくいのです。今すぐに仕事を変えたい人にとっては、これは大きなジレンマです。
●デメリット4:職場の異動がある
4つ目のデメリットは、職場によっては異動がある点です。ケースバイケースですが、本人の意志に関係なく異動しなければいけない可能性があります。
7.保健師に向いている人・向かない人
こちらでは、産業看護師に向いている人・向かない人を紹介します。
〇 向いている人 | × 向いていない人 |
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それでは、詳しく見ていきましょう。
7-1.保健師の仕事:向いている人
この仕事に向いている人は、地域コミュニティに貢献したいという気持ちが強い人です。職場によっては、対応するのが地域で暮らす住民ではなく、社員や生徒ということはあるでしょう。いずれの場合でも、対象となる人々の健康と生活に貢献できる仕事です。
夜勤や残業がない職場で働きたい人もまた、この仕事に向いています。いろいろな職場がありますが、どこも基本的には夜勤はなく、残業もありません。週末や祝日に休みとなる職場も多いでしょう。規則正しい勤務時間や勤務日で働きたい人にとっては、ぜひおすすめの仕事です。
7-2.保健師の仕事:向かない人
それでは、どんな人がこの仕事に向いていないのでしょうか?まず、臨床現場を多く経験して看護のレベルやスキルアップをしたい人が挙げられます。保健分野では、病気やケガの治療は行わないため、臨床経験を積むことはできません。上級看護を目指すなら、保健分野で働くことはおすすめではありません。
たくさんの同僚と働きたい人にも、この仕事は向いていないかもしれません。行政で働く場合には、数人の同僚がいるでしょう。しかし、企業や学校で働く場合には、看護や保健のスタッフは自分1人になるケースが大半です。1人で考えて行動できることが、この仕事に求められる素質となります。
8.保健師として働く方法とは?
保健師の求人募集は、職場によって異なります。行政や学校で公務員として働きたい場合には、公務員試験を受験しなければいけません。自治体によって受験日が異なるため、説明会に参加した上で願書を出しましょう。筆記試験や面接試験を経て見事合格すれば、保健分野で公務員として働けます。
産業保健師として企業で働く場合には、公務員試験は必要ありません。待遇が良い仕事で競争率が高いため、非公開求人として募集されることが多いです。そのため、転職サイトを活用しながら、効率的かつ効果的な仕事探しをするのが得策です。

産業保健師の求人に出会うのは非常に困難で、公開求人のみを取り扱うハローワークなどでは難しいでしょう。
そのため、転職サイトをいかに上手に使うかがポイントになります!
9.まとめ
今回の記事では、保健師という仕事について仕事内容や種類について説明しました。
看護の資格に加えて、保健の資格も国家試験を受けて取得する必要があります。また、職場によって仕事の探し方が異なる他、働き方や待遇などが大きく変わります。
保健師の仕事は、規則正しい勤務時間で働くことが可能です。加えて、待遇が良い職場が多いため、求人募集が出ると大激戦となる傾向があります。そのため、転職サイトをいかに上手に活用するかが転職成功のポイントになります。
もし新しい職場を探す際には、本記事をぜひ参考にしてください。以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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