医療に休みはありません。
看護師の業務も、24時間体制で行われています。病棟勤務では、夜間に働くことは避けて通れません。
日勤に比べて、心身ともに負担が大きいのが夜間勤務です。できることなら、日勤だけの職場で働きたいと考えるナースは少なくありません。
一方、夜勤専従の求人も増えています。
「夜間に専従で働くのはアリなの?」と疑問に感じるかもしれません。「夜に働くのは過酷そう…」と心配する方も多いのではないでしょうか。
夜勤専従の業務についてきちんと知ることで、転職の不安が解消します。興味がある方は、この記事でメリットとデメリットを把握してください。
そうすれば、転職先として選択肢に入ってくるかもしれません。
1. 看護師が夜勤で行う業務とは?
看護師は、夜勤でどのような業務を行うのでしょうか。日勤との違いについても、今一度確認しておきましょう。
1-1. 看護師の基本的な業務
基本的な看護業務には、日勤も夜勤も区別はありません。安心・安全な看護サービスの提供が基本中の基本です。
16時出勤の2交代制を例にとって、仕事の流れを確認してみましょう。
- 16:00点滴や薬など、必要なものの準備を行い、スタンバイ。
- 16:30日勤スタッフとの交替と、申し送り
- 15:00バイタルチェックや点滴の交換や、患者さんの様子の観察
- 18:30夕食。配膳や食事の介助、食後の薬の投与や口腔ケア
- 19:00患者さんの観察などのルーティンワーク
- 18:30患者さんが就寝するための準備の介助やお手伝い
- 21:00消灯(ナースの夕食時間)
- 22:00夜間の巡視(交替で仮眠)
- 5:00朝の点滴やバイタルチェックなどの準備
- 6:00起床、点滴やバイタルチェックなどの実施
- 7:30朝食。配膳や食事介助、食後の薬の投与や口腔ケア
- 8:00日勤ナースへの申し送り後、夜勤業務の終了
1-2. 夜勤と日勤の違いとは
「1-1. 看護師の基本的な業務」のとおりに、日勤と業務内容が大きく変わるわけではありません。日勤との業務の違いは、就寝中の患者さんを巡視する業務があることです。
- 容態の急変はないか
- 痛みで苦しんでいないか
- 点滴やドレーンの針が抜けていないか
など、患者さんに異常がないかを、見守る必要があります。急変などの異常があれば、冷静な状況判断や適切な対応が求められます。
夜間勤務は、日勤に比べて人員が極端に少ないのが現状です。限られた人数で、行動しなければいけません。

夜勤専従は、少人数でいかに効率良く業務を進めていくかも課題になるでしょう。
2. 夜勤専従として働く5つのメリット
日勤と同じような業務を行っていても、夜勤は心身にかかる負担が大きいと言われています。そこで、夜勤専従で働くことに不安を感じている方に、夜に働くメリットを5つご紹介します。
2-1. メリット①:高収入が期待できる
夜間勤務の最大のメリットとも言えるのが、高収入です。
夜間勤務には手当が付きます。夜勤専従の報酬にはこの夜勤手当が加算されていますから、高給になるのは当然でしょう。
また、ナースの多くが日勤を希望しています。夜間に働く人材は、常に不足しているのです。人材を確保する意味でも、収入面が優遇されていると考えられます。
夜勤専従の勤務条件
夜勤専従ナースの募集状況を見てみましょう。
- 月に9回~10回勤務
- 月給40万~50万円
- 年収500万~650万円
このような求人が目立ちます。常勤に比べて出勤日数が少なく、収入が高めです。この点が、大きな魅力と言えるでしょう。
法律では、夜10時~朝5時の深夜勤務では、深夜手当を付けることが義務づけられています。そして、深夜手当の支給額は、基本給の1.25倍以上という決まりです。
夜勤専従は高収入が見込まれる
常勤でも、夜間勤務には手当が付きます。
- 2交代制の場合:1万8,500円
- 3交替制の場合:4,100~5,250円
これが、1回当たりの深夜手当の平均額です。
夜間専従では、これらの平均額よりもさらに報酬額が高くなります。例えば、月10回勤務で月給40万円なら、夜間勤務1回の収入は4万円の計算です。
いかに高収入かが分かるのではないでしょうか。
何らかの目的があり、がんばって貯金をしている方も多いと思います。しばらくは夜間専従勤務でお金を貯め、目標金額に達したら、常勤勤務に切り替える…。そんな働き方もアリではないでしょうか。
2-2. メリット②:昼間に自由な時間を過ごせる
当たり前ですが、夜間専従の場合、働くのは夜だけです。常勤のように、昼間と深夜の勤務が交互にやって来ることはありません。
常に夜に働きますから、朝から昼の時間を自由に使えます。
日中勤務では、平日の昼間に好きなことをするのは難しいでしょう。でも、夜間専従なら、趣味や習い事などもできます。
休日は混雑するレジャー施設や商業施設も、平日の昼間なら快適です。役所や銀行の手続きに困ることもありません。上手に時間管理をすれば、日中を有意義に過ごせます。

趣味に没頭するなど、私生活を充実させたい方にもおすすめの働き方です。
2-3. メリット③:連休を取りやすい
常勤の看護師はシフトの関係上、連続した休日をなかなか取ることができません。週休2日であっても、月曜と金曜など、1日ずつ休むケースが多いでしょう。
夜間専従は、勤務日数自体が少ないですから、連休が取得しやすいのです。
- 月に9~10日
- 1週間に働く日数は2~3日
- 1週間のうち4~5日は休み
シフト調整がうまくいけば、5日以上休むことも可能でしょう。海外旅行もできるくらい、ゆったりとしたスケジュールが組めます。
深夜勤務は、日勤に比べてハードです。その分、出勤日数を減らして、十分に休養が取れるように工夫されています。

連休を活用してリフレッシュすれば、充実した日々が送れるのではないでしょうか。
2-4. メリット④:委員会などの参加が免除される
看護師の業務は、患者さんへのケアだけではありません。書類作成や委員会・会議への参加、後輩への指導など、看護以外の業務も山積みです。その結果、残業になることも多いでしょう。
看護業務だけでも忙しいのに、それ以外の業務もこなすのはとても大変です。これらの業務が大きな負担になっている方は多いと思います。
夜勤専従看護師は委員会の参加が難しい
そんな方にも、夜間専従勤務をおすすめします。
週に2日程度しか出勤しない上に、夜間だけの勤務です。実質的に、これらの業務を担当するのは難しいでしょう。
リーダーシップをとるなどの活躍はできません。何かの委員に抜擢されることもなく、委員会への参加も不要です。
看護以外のめんどうな業務は、しなくてもいいことが多いでしょう。

看護業務だけに専念したいと望むナースにとって、夜間専従は理想的な働き方と言えます。
2-5. メリット⑤:人間関係の煩わしさが少ない
夜間勤務は、最低限の人員で行われます。
昼間は1人のナースが7人を担当する7:1看護を行っていても、夜間は別です。最小限のスタッフで看護に当たります。1人で20人の患者さんを担当する職場も少なくありません。
1人で働くケースも多く、同僚がいても数人程度です。出勤する日数が少ない上に、同じ人と頻繁に顔を合わせることもありません。
口うるさい上司と会う機会も少なく、マイペースで仕事が進められます。人間関係が発生しにくい環境と言えるでしょう。
女性が多いナースの職場は、どうしても人間関係のトラブルが生じやすいものです。人間関係にほとほと疲れている方も多いでしょう。
そんな方にも、静かに働ける夜間勤務はおすすめです。
3. 夜勤専従看護師として働いた際のデメリット
ここまで、夜間専従のメリットについてご紹介しましたが、デメリットについても併せて知っておきましょう。
3-1. デメリット①:生活リズムが崩れやすい
人は本来、昼間に活動する動物です。夜に働くことは、それだけで負担がかかります。
特に気をつけたいのが、生活リズムの乱れです。
深夜勤務のみなので、常勤ナースに比べてリズムはつかみやすいでしょう。でも、週に2~3日だけ出勤する生活では、休日に生活リズムを崩すことがあります。
なるべく規則正しい生活を送ることが望ましいです。体内時計が狂うと、自律神経が乱れ、体調の維持管理が難しくなります。
出勤日でも休日でも、同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように心がけてください。
3-2. デメリット②:家族や友人との生活時間帯が合わない
昼間と夜が逆転するので、家族の生活リズムと合わせられないのもデメリットになります。すれ違い生活が続くと、コミュニケーションがおろそかになりがちです。
家族や親しい人と過ごす時間をどうするのかを、しっかりと考えておきましょう。
自分自身が考えるだけでなく、家族とよく話し合うことも大切です。家事や育児の分担についても、夫婦で話し合っておく必要があるでしょう。
たとえ一人暮らしであっても、友人や恋人と過ごす時間が限られてきます。昼間の時間はたっぷりあるのに、親しい人と過ごせない状況に陥るかもしれません。

せっかくの時間が寂しいものにならないよう、対策を考えておきましょう。
3-3. デメリット②:患者さんと触れ合う機会が少ない
夜は人が眠る時間です。病院も夜間は消灯時間となり、患者さんは眠りにつきます。
日中のように、患者さんと会話をする時間はほとんどありません。その上、勤務につくのは週に1~2回程度です。
これでは、患者さん一人一人について、詳しい情報を得るのは困難と言えます。その結果、看護への意欲が下がり、仕事にやりがいが感じられなくなるかもしれません。
また、患者さんの体調や容態を正確に把握できないリスクも高まるでしょう。
- 日勤のナースに、担当患者さんの情報を詳しく教えてもらう
- 早めに出勤して、患者さんとコミュニケーションを取る
少しでも患者さんを理解するためには、積極的に自分から関わっていくことが大切です。
4. まとめ
今回の記事では、夜間だけ病棟に勤務するナースの働き方について説明しました。
夜間専従には、給与が高いという以外にもいくつものメリットがあります。夜間勤務についての理解が深くなったのではないでしょうか?
また、デメリットを知れば、事前に対策を練ることも可能です。夜間勤務は、健康に留意すれば、自分らしく暮らせる働き方の一つと言えるでしょう。人付き合いに疲れている方にも、おすすめです。ぜひこの記事を参考にして、夜間勤務について検討してみてください。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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