看護師として長くキャリアを積み重ねた方や、育児から復帰された方が多い年代が40代看護師です。また同時に、加齢により体力的負担を感じ始めるタイミングでもあります。
そのため、次のように願う看護師さんも多いのではないでしょうか。
- 体力的にも無理のない職場で働きたい
- 家庭と仕事を両立したい
そこで本記事では、働き方について悩む40代看護師に向け、対応策をご紹介します。この記事を読めば、ライフスタイルに適した職探しの方法がわかるはずです。
一般的に40代の転職は厳しいイメージが強いですが、看護師は知識や経験を買われて転職するケースが多いです。これからの人生をますます充実して過ごすためにも、自分に適した職場で力を発揮しましょう。
| ＼ 転職サイトおすすめ３選 ／ | ||
 |
 |
 |
1.40代看護師でおすすめの転職先
一般的な会社員では、40代からの就職活動は不利と言えるでしょう。でも、看護師は別です。40歳以降でも、多くの職場が求人を募集しています。
その中でも特におすすめなのが、次のような職種です。
1-1.訪問看護ステーション
近年、在宅医療の需要が高まり、求人が増えているのが訪問看護ステーションです。看護ステーションを拠点に、地域の患者さんのお宅などに訪問し、看護業務を行います。
40歳代のナースにおすすめの理由は主に、以下の4点です。
- 夜勤がない
- 一人で訪問看護を行うので人間関係のわずらわしさが少ない
- 患者さんとじっくりと向き合える
- ブランクがあっても働きやすい
病棟勤務に比べて、ゆったりとしたペースで勤務できます。子育てやご家族の介護など、ワークライフバランスを確保したい40歳代におすすめです。
研修や、ステーションのスタッフに相談できる制度も確立されています。ブランクからの復帰で、病棟勤務に自信がないという方でも安心です。
1-2.クリニックやデイサービス
地域医療の要となるクリニックや、高齢者のためのデイサービスもおすすめです。
その主な理由として、以下が挙げられます。
- 夜勤がない
- 急患や重篤な患者さんの対応がないので、精神的な負担が少ない
- 地域の患者さんや高齢者と、長くおつきあいができる
- ブランクがあっても働きやすい
- 土日祝日に休みをとりやすい
- 残業が少ない
病棟勤務ではないので、夜勤がないのは大きな魅力ではないでしょうか。土日祝日が休みのところが多く、家族と休みが合わせやすいのもメリットです。看護業界の中でも、ワークライフバランスがとりやすい職場として人気があります。
1-3.同世代の看護師が多い職場
同世代のナースが多い職場も、長く働きやすいという点でおすすめです。
- ジェネレーションギャップがなく、コミュニケーションがとりやすい
- 子育て中など、ライフスタイルが似ている同僚が多く、理解や共感を得やすい
など、良好な人間関係が結びやすいからです。子育てや介護、仕事など共通の悩みについても、話しやすいことでしょう。同年代が極端に少なければ、40歳代には働きにくい環境であることも考えられます。
1-4.管理職を求人している職場
40歳代は、管理職を目指して転職をする際にも最適な年代と言えます。特に、チームリーダーや主任などの経験があれば有利です。
リーダーとして、チームや部署を率いるスキルを有するナースは多くありません。このため、管理職志望の40歳代ナースは歓迎されます。管理職として採用されると、給与アップなど、今よりも良い条件で働けるでしょう。
ただ、管理職の求人は非公開が多く、自分で探しても好条件のものは見つかりません。転職エージェントに会員登録をして、非公開求人を紹介してもらいましょう。
1-5.経験を活かせる総合病院
20年以上のキャリアを持つベテランナースは、どの職場にも必要な人材です。特に、即戦力が求められる総合病院では、実績のある40歳代ナースを求めています。
- 子育てが一段落したので、これからバリバリ働きたい
- もっとスキルを高めたい
- 看護を極めたい
そんな方におすすめです。
実績を生かしながら、さらなる経験を積み、キャリアアップを実現させましょう。
2.40代看護師が転職を考える理由
40歳代はナースとして脂が乗っている時期で、第一線で活躍できるベテランです。しかし、体力的な衰えを感じ始める年代でもあります。
今後の働き方に関しても、
- ゆったりとしたペースで働きたい派
- キャリアアップを目指してバリバリ働きたい派
の2つの傾向に分かれます。
2-1.出産・育児の時間がほしい
晩婚化や不妊治療の進化などで、30代後半以降に出産を迎える方が増えました。まだまだ子育て真っ最中いう方も多いでしょう。
このようなご家庭では、どうしても育児が第一となります。育児に差し支えないシフトで働ける職場を探す方が多いのです。
- 夜勤がない
- 残業や休日出勤がない
- 産休・育休の実績が多い
- 託児所など子育て制度が充実している
- 子育て中のナースが多い
など、子育てしやすい環境が整っている職場が人気です。
2-2.子育てが一段落しバリバリ働きたい
子育て真っ最中のナースがいる一方で、子育てが一段落する方も少なくありません。20代で出産したナースなら、お子さんが成人を迎えているケースもあるでしょう。お子さんが成長したら、家を長時間留守にしても心配が少なくなります。
- これまで家庭のために使っていた時間を、仕事に使おう
- 子供の手が離れたから、これからは看護の仕事に本格的に取り組もう
そう考えるナースも、増え始める時期です。
また、お子さんの学費や住宅ローンの返済、老後の資金が必要な年代でもあります。マネープラン実現のためにも、しっかりと働こうと考えるナースも少なくありません。
2-3.管理職へのキャリアアップを目指したい
新卒後から第一線で働いてきたナースに多いのが、管理職へのキャリアアップです。これまでの実績を生かし、次のステップへのランクアップを目指す方が増えてきます。
よりスキルアップしたい、管理職を目指したいと希望するナースにとって、
- 上の世代が多く、昇進が期待できない
- 最先端医療に携われない
- 教育制度が充実していない
- ルーティンワークばかりでスキルが身につかない
などの職場は、物足りなく感じられることでしょう。スキルアップがかなう職場に変わり、キャリア形成を実現させるナースも多いのです。
3.40代看護師でも転職はできるの？
一般的に、40歳代の職探しは困難だと言われます。しかし、ナースは生涯にわたって働ける仕事です。
3-1.看護業界は引く手あまたの売り手市場
看護職は、常に人材が不足している業界です。少子高齢化が進む近年、人材不足は深刻化を深めています。医療業界だけでなく、介護業界からも、ナースを求める声が多いのです。
このため、年齢にかかわらず、ナースの求人は多く見られます。特に、40歳代は経験豊富なベテランです。どのような職場においても、安心して看護の仕事を任せられる人材として人気があります。40歳代であっても、ナースは売り手市場なのです。
3-2. 40代看護師はライフイベントによる変化が起きにくい
ナースの退職理由で多いのが、出産・育児などのライフイベントです。夜勤のある病院を退職する方が多く見られます。看護職はハードワークですから、子育てと両立が難しいのが現状です。
しかし、40歳代になると、ライフイベントが一段落する方が増えます。第一線に復帰して、活躍するナースが増え始めるのです。
20代に比べれば体力は衰えるものの、40歳代はまだまだ若いと言えます。ベテランとして、思いっきり活躍できるでしょう。
採用側としても、40歳代で採用すれば、定年退職まで10年～20年あります。長く働いてもらえるので、求人コストを費やすだけのメリットがあるのです。
3-3.経験豊富な40代看護師は高待遇で迎え入れることも
医療現場では、確かな経験に裏打ちされた知識と技術が求められます。ベテランナースの需要は高く、人材を確保するために、好待遇での求人もあるものです。収入アップを目指して、職探しをする40歳代ナースは珍しくありません。
- ブランクなしで実績を積んできた
- リーダー職の経験がある
- 救急病院やICUなど、急性期病棟の経験が豊富
という方は、特に好待遇が期待できるでしょう。
上記の実績がなくても、経験を評価してくれる求人を探すのが成功の秘訣です。
求人募集情報に給与などの待遇面に、
- 実務経験を考慮
- 実務経験によって優遇
- 能力を考慮した上で優遇
などと記載されていれば、実績によって優遇される可能性が高くなります。
4. 40代看護師の転職で不利になることは？
40歳代のナースは売り手市場とはいうものの、不利になるケースもあります。
この年代のナースに求められるのは、豊富な経験です。子育てなどで長期間のブランクがあると、不利になる傾向があります。
長期間のブランクなど、ナース経験に不安がある方は、
- ブランクナース向けの研修制度がある病院
- 教育制度が充実している病院
- 実績はそれほど重視しない職場
などがおすすめです。
また、経験以外でも、
- 誰とでもコミュニケーションできる
- 協調性がある
- 冷静に行動できる
- 向上心がある
- 患者さんの声にしっかりと耳を傾けられる
など、ナースとしての強みをアピールしましょう。
また、この年代は体力に自信がなくなり始める人も多いです。体力が求められるハードな診療科では、若いナースに比べて不利になるでしょう。
5. 50代を見据えた病院選びも必要
50代になると、状況はガラリと変わります。定年まで10年足らずになります。このため、40歳代に比べればガクンと求人が減少するのが実情です。また、給与待遇が低くなるなど、これまでの経験が評価されないこともあります。
今の職場で定年まで続ける自信がない方もいるでしょう。そのような方は、40歳代のうちに職場を変わる方が断然有利です。
50歳以降の働き方も見据えた上で、長く働ける職場を探しましょう。人間関係のトラブルが少ない職場であることも、重要なポイントとなります。「定年まで働き続けられるか」を見極めることも、成功の秘訣です。
今はまだ元気でも、50代になると体力の衰えを実感するかもしれません。その職場で、50代ナースがどのように活躍しているのかも確認しましょう。
6.まとめ
今回の記事では、40代ナースの転職についてご紹介しました。
この年齢のナースが、
・おすすめの転職先
・退職理由
・転職する際の注意事項
が分かり、今までより不安が少なくなったのではありませんか？
20～30代、あなたはどのようなキャリアを積み重ねてきたのでしょうか。これまでの職場経験を振り返りが、自分に適した職探しのカギとなります。
最適な職場で新たな一歩を踏み出せば、自分の希望する働き方が実現できます。ぜひこの記事の理由別の職探しを参考に、これからの働き方を考えてみてくださいね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
