転職するとき、多くの方は面接に次のような不安を感じていると思います。
- 面接で何を聞かれるか分からなくて準備ができない
- 面接対策が不十分で緊張でうまく答えられないかも
- 自分の魅力や熱意を上手く伝える自信がない
でも大丈夫!聞かれやすい質問や上手な回答を事前に知っておけば、自身を持って面接に臨むことができます。
そこで本記事では、転職の面接対策で悩んでいる看護師向けに、12の質問例と回答例をご紹介します。
これを知れば、あなたもしっかりと面接の準備ができたと言えるでしょう。
1. 必ず聞かれる質問【3選】
看護師の転職の面接では、必ずと言っていいほど聞かれる定番の質問があります。
定番の質問は、スムーズに答えられるよう準備しましょう。
1-1. 自己PRをお願いします
私の強みは、粘り強く人と向き合えることです。
前職で、心を開いていただけない患者様を担当したことがありました。なかなか話をしていただけず、とても苦労しました。しかし、毎日粘り強くコミュニケーションを取ることで、徐々に打ち解けられました。
今後も、患者様と真摯に向き合うことを大切に、仕事に取り組みたいと考えております。
自己PRは、書類では分からない転職者の人柄や雰囲気などを知るために聞かれます。
自分を客観視し、分かりやすく伝えられる能力の有無も見られるでしょう。
自分の魅力や熱意をアピールするチャンスなので、自信を持って答えてください。
自己PRのポイントは、具体的なエピソードを織り交ぜることです。
単に「粘り強いことが私の魅力です」と言っても、説得力がありません。
なぜそう言えるのかを証明できる根拠も伝えることが大切です。

あなたの性格が看護師の仕事にどう活かせるかが重要なポイントになります。転職者の場合、前職での経験を関連させるのもおすすめです。
1-2. なぜ当院を志望しましたか?
前職では、○○の分野に力を入れて働いていました。しかし、□□をきっかけに、××の分野への興味を持つようになりました。
御院は、最先端技術の導入により、××の分野への専門性を高めていらっしゃいます。御院の高い技術や自身の経験を活かし、患者様と向き合いたいと考え、志望いたしました。
志望理由も、聞かれる可能性が高い質問です。
数ある病院の中で何故そこを選んだのか、しっかりと伝える必要があります。
そのためには、事前の情報収集が欠かせません。
病院の方針や特徴のあるケア方法などを、理由に含めることが大切です。
その上で、志望先の病院にいかに魅力を感じているか、入職したい気持ちが強いかをアピールします。
給与や福利厚生、立地などに魅力を感じている方も多いでしょう。待遇や働きやすさは非常に重要な基準です。しかし、面接で待遇面を理由に挙げることはおすすめできません。印象が悪くなる恐れがあります。
1-3. 退職(転職)理由を教えてください
前職では、○○の分野に力を入れて働いていました。しかし、□□をきっかけに、××の分野への興味を持つ総合病院で基本的なスキルや知識を習得しました。
その中で、より患者様と密に関われる、○○に関心を持ちました。専門的な知識を学べる環境に移りたいと考え、転職を決意いたしました。
御院は、○○に注力されており、学ぶ環境として最適であると考えております。
病院側にとってスタッフの採用には時間と費用がかかりますので、なるべく長く働いてほしいと考えているでしょう。
そのため、転職理由を聞いて再度退職しないか、責任感はあるかなどを見極めます。
マイナスな印象を与えないよう、慎重に答えることが大切です。
なお、ネガティブな退職理由だけを伝えることはおすすめできません。
給与が不満だった、気の合わない同僚がいたなどの事情は伏せて、スキルアップしたかったなど、前向きな理由を強調する必要があります。

育児や介護といった仕方のない事情は伝えても支障ありません。転職後は両立できることをアピールしましょう。
▼退職(転職)理由の伝え方については、次の記事も参考にしてください。
2. よく聞かれる質問【6選】
面接でよく聞かれる質問もあります。
必ずとは言えませんが、尋ねられる可能性が高いので、対策する必要があります。
- 2-1.看護師を目指したきっかけを教えてください
- 2-2.あなたの長所と短所を教えてください
- 2-3.あなたの看護観を教えてください
- 2-4.希望する配属先はありますか?
- 2-5.患者様との印象的なエピソードはありますか?
- 2-6.残業や夜勤には対応できますか?
2-1. 看護師を目指したきっかけを教えてください
中学生の頃、祖父の入院をきっかけに看護師さんの仕事を近くで見るようになりました。
不安を感じていた私に、笑顔でさまざまな話をしてくださいました。患者さんにも明るく接しておられる姿を見て、憧れたことが最初のきかっけです。
その後、看護学校に入学し、仕事内容をより深く理解しました。大変さも知りましたが、より強く看護師になりたいと思いました。
今後も、きっかけをくれた看護師さんに近づけるよう、成長したいと考えています。
面接官は、看護師を目指したきっかけを尋ねることで、仕事への思いなどを確認します。
きっかけは人それぞれですが、熱意が分かるように伝えましょう。
看護してもらった経験や、家族が入院したときの体験など、具体的なエピソードがあれば、より伝わりやすいでしょう。
家族や親戚が看護師で、憧れた方もいるでしょう。
素敵なきっかけですが、なぜ憧れたのかも具体的に伝えることが大切です。

「母親が看護師なので私も志しました…」だと、なんとなく目指したように聞こえてしまいます。看護学校で苦労した体験談なども交えて、説得力を高めましょう。
2-2. あなたの長所と短所を教えてください
私の長所は協調性があるところです。
前職でも、仲間の意見を聞きながら協力することを重視していました。チームメンバーの絆が深まり、大きなトラブルなく業務にあたっていました。
しかし、上司からは自己主張が少ないと指摘をいただいたことがあります。周りの意見に合わせるあまり、自分の考えを伝えられていなかったと自覚しました。その後は、意見を出し合うことを意識しています。
長所や短所は、より人柄や性格を理解するための質問です。
自分には長所がないと思う方もいるかもしれませんが、一見短所に見える性格も、言い換えると長所になり得ます。
- 流されやすい → 協調性がある
- 頑固 → 意思が強い
- 心配性 → 計画性がある
- 神経質 → 几帳面
- 自分で決められない → 人の話をよく聞く

長所と短所が矛盾しないように気を付けてください。
思い浮かばなければ、家族や友人などに尋ねるのがおすすめです。
回答に迷いやすいのは短所で、弱みを伝えると評価が下がるのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、短所を自覚し改善する姿勢はとても大切です。
「短所はありません」と言うと、自信過剰で自分を客観視できていないと捉えられます。
重大すぎない弱みを一つ挙げて、改善策も答えましょう。
2-3. あなたの看護観を教えてください
看護師として大切にしていることは、患者様と良好な関係を築くことです。
もちろん治療は大切ですが、自分らしく過ごしていただくことも必要だと考えています。そのためには、患者様一人ひとりの個性に合わせた対応が欠かせません。
前職では、ささいな会話から得られる情報を覚え、ケアの方針に反映させていました。
看護観という言葉に戸惑うかもしれませんが、看護師の仕事で大切にしていることは何かを答えれば問題ありません。
看護師としての「理想像」や「目標」と絡めるのもおすすめです。
転職者の場合、過去の経験があるため、具体的なエピソードも話しやすいでしょう。
なぜそう思ったのか、具体的にどう行動したのかを伝えることが必要です。

ただし、志望する病院の運営方針と全く異なる考えは避けたほうが良いでしょう。
2-4. 希望する配属先はありますか?
御院の○○科で導入されている、最先端技術に魅力を感じております。
可能であれば○○科で専門知識を身につけて、より成長したいと考えています。その後、習得した知識や経験を活かし、将来的には□□に携わりたいです。
希望は○○科ですが、どこに配属されてもすべての業務に一生懸命取り組みます。
希望の配属先があれば、正直に答えても構いません。
志望動機や看護観とも絡めて、矛盾のないように注意しましょう。
具体的にどんな働き方を望むか、将来的な目標なども答えると熱意が伝わりやすいです。
しかし、「希望以外の診療科に行きたくない」や「特定の診療科以外に興味がない」などと答えてはいけません。
必ず希望通りに配属されるとは限らないので、柔軟に対応できる姿勢をアピールします。
どこに配属されても、真摯に取り組む意識は必須です。
2-5. 患者様との印象的なエピソードはありますか?
新卒の頃、緊張によって心の余裕がなくなっていました。なるべく明るい対応を心がけていましたが、患者様から心配されたことがありました。私の緊張を察して、積極的に話しかけていただいたようです。
本来、患者様を勇気づける立場でありながら、励まされてしまいました。この出来事をきっかけに、患者様との向き合い方を学びました。
その後は持ち前の粘り強さも活かし、良好な関係の構築を心がけています。
看護師として働いていると、患者さんとのエピソードは多数あるでしょう。
そのなかでも、特に印象に残ったもの、自分の看護観に影響を与えた話などを選びます。
面接官は、患者さんとの思い出話を聞いているのではありません。
患者さんとの向き合い方や、どんな思いで働いていたのかを知ろうとしています。
エピソードの内容は、成功例でも失敗例でも構いませんが、成功例では上手く行った秘訣や学びも伝えましょう。

失敗例では、原因、反省点、改善方法などを盛り込んでください。
2-6. 残業や夜勤には対応できますか?
残業や夜勤にも可能な限り対応いたします。
ただ、子育て中なので対応できない日もあるかと思います。家族とも協力しながら、できるだけ調整させていただきたいです。
現在、子どもが小学校低学年のため頻繁な残業対応は難しいです。
ですが、○年後には学童保育を利用する予定があるので、対応しやすくなります。万が一休みを取る場合は、できる限り早めにお伝えいたします。
残業や夜勤に対応できるか聞かれたら基本的には正直に答えるべきですが、対応が難しいシーンも出てくるので断言は避けます。
したがって、「いつでも対応します」「残業は一切しません」などの回答はおすすめできません。
特に、子育て中の場合は注意が必要です。
積極的に協力する姿勢は見せつつ、対応できない可能性にも言及しましょう。

具体的な理由、事情、対応方法などを提示すれば、真摯な気持ちが伝わります。
3. 稀に聞かれる質問【3選】
看護師の面接では、稀に聞かれる質問もあります。
聞かれないことが多いかもしれませんが、準備していないと聞かれたときに焦ることになります。
稀な質問だからこそ、事前に答えを考えるのがおすすめです。
3-1. 成功と失敗の経験を教えてください
過去に、コミュニケーションをうまく取れない患者様を担当したことがあります。
最初は、意思疎通が難しく困っていました。しかし、毎日何気ない会話を続けることで、徐々に心を開いていただけました。
この経験から、日常的会話の重要性を学び、その後も心がけています。
スタッフ間での情報共有に失敗し、業務効率が悪くなった経験があります。後から振り返ると、情報の伝え方や優先順位の付け方に問題があったと反省しました。
その後、必ず頭の中で情報を整理してから伝えるようにしています。その結果、同じ失敗は繰り返していません。
面接官が成功や失敗の経験を聞くとき、具体的な内容を知りたいのではありません。
成功体験の場合は、なぜ成功したのか、どのように工夫したのかを聞いています。
失敗体験の場合は、原因と対処法を分析できているか判断しているのです。

必ず具体的なエピソードや得た学びまで答えましょう!
3-2. 休みの日はどう過ごしていますか?
読書が好きなので、書店に行ったり図書館で過ごしたりすることが多いです。医療に関する本はもちろん、○○系の小説も好んで読みます。
読書によって、さまざまな情報や価値観に触れられることが魅力的だと考えています。
面接官が、休みの日の過ごし方を尋ねる意図はさまざまです。
単に緊張をほぐすための世間話かもしれません。
一方で、仕事で溜まったストレスを発散できるかを見られているケースも考えられます。
いずれにせよ、「何もしていません」のような回答は避けるべきです。
コミュニケーション能力が低い、やる気がないと捉えられる恐れがあります。
自分の性格や長所と休みの過ごし方に矛盾が生じないよう注意してください。例えば「アクティブな性格です」と伝えたのに「休日は外に出ません」と答えると矛盾します。どちらかの情報が嘘のように聞こえるので、慎重に答えましょう。
3-3. 他に併願している病院はありますか?
興味のある○○の分野が学べる病院を併願しております。しかし、御院の□□の理念にも大変共感し、魅力を感じています。
内定をいただけた場合は、入職したいと考えております。
併願している病院について尋ねられたとき、多くの方は焦ります。
併願していると答えると、マイナス評価に繋がるのではないかと不安を感じるでしょう。
もしこのような質問をされたら、正直に回答しつつ、入職したい姿勢を強調しましょう。
その際は、面接を受けている病院の魅力や共感ポイントを織り交ぜることが重要です。
第一希望ではないのに「必ず入職します」などと答えてはいけません。質問に焦って、「まだ分かりません」と伝えることも避けましょう。
他に併願していない場合は「併願している病院はありません」と答えてください。嘘をつくとトラブルに繋がることがあるため、ご注意ください。
4. 面接の質問に関するQ&A
ここからは、面接の質問でよくある疑問を解説します。
答えにくい質問をされるケースもあるので、十分な対策が大切です。
- Q1:結婚や出産、体調面について聞かれたら?
- Q2:面接で給与について聞いても良いですか?
- Q3:答えに詰まったらどうすれば良いですか?
- Q4:退職理由がネガティブ場合はどう答えれば良いですか?
- Q5:逆質問はOKですか?
Q1:結婚や出産、体調面について聞かれたら?
結婚や出産、体調に関する事柄は非常にデリケートなので基本的には聞かれませんが、質問されるケースもあります。
もし「結婚や出産の予定はありますか?」と聞かれたら、次のようにうまく濁すことが大切です。
将来的には希望していますが、今は仕事に集中したいです。
「体調は問題ありませんか?」と聞かれたら、次のように前向きな回答を心掛けてください。
一時的に体調を崩しましたが、現在は回復しております。医師からも、復職して支障ないと言われています。
Q2:面接で給与について聞いても良いですか?
転職する上で、給与はとても重要なポイントです。
しかし、面接で給与について質問すべきではありません。
資料に記載してある場合、確認を怠っていると思われる可能性があります。
病院の理念ややりがいではなく、給与を重視していると捉えられるかもしれません。
Q3:答えに詰まったらどうすれば良いですか?
誰しも面接では緊張します。
答えに詰まった場合は、一度心を落ち着かせることが必要です。
無理に回答すると、支離滅裂なことを言う恐れがありますし、回答に矛盾が生じて指摘を受けると、さらに焦るでしょう。
詰まらないことが理想的ですが、それよりも答えの内容を重視するのがおすすめです。
また、質問を聞き取れなかったら、謝った上で聞き返して問題ありません。
冷静になって、自分の思いを丁寧に伝えることが大切です。
Q4:退職理由がネガティブ場合はどう答えれば良いですか?
前職で業務にあたる中、○○についての興味を持ちました。御院であれば、豊富な経験を積めると考えました。
退職理由は人それぞれで、出産や引越しなど、やむを得ないケースもあります。
一方、給与の低さ、人間関係のトラブル、多忙さなど、ネガティブな理由で退職した方もいるでしょう。
もちろん、ネガティブな理由で退職しても問題はありません。
しかし、面接ではポジティブに言い換えることが重要です。
嘘をつく必要はありませんが、前向きな理由を伝えた方が好印象でしょう。
Q5:逆質問はOKですか?
面接の最後に逆質問をされたら、気になることを積極的に尋ねるべきです。
何も聞かなければ、熱意がない印象を与えかねません。
直接聞けるチャンスでもあるので、働いている看護師の人数、年代、入職前の準備など、事前に内容を決めるのがおすすめです。
ただし、資料やホームページを見れば確認できることはさけるべきです。
5. まとめ
今回の記事では、転職の面接でよく聞かれる質問について説明しました。
質問例や回答例が分かり、今までより対策しやすくなったのではないでしょうか?
きちんと準備すれば自信を持てますので、ぜひこの記事を参考にしてください。
本番でスラスラと答えるためには、事前の練習が欠かせません。
ある程度の答え方が決まったら、友人や家族に面接官になってもらって、声に出して伝える練習をするのもおすすめです。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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