看護師が新しい職場を探すときは、まずは希望条件を洗い出し、それらに優先順位を付けてから行動するのが鉄則です。
なぜなら、何となく求人に応募してしまうと、転職後に次のような残念な状況に陥ってしまうからです。
- 「思っていたのと違う」
- 「転職前より条件が悪くなった」
そこで今回は、看護師転職における希望条件の重要性や、優先順位の付け方について解説します。
本記事を読めば、自分の希望に合った転職先が見つかる確率が高まりますので、ぜひご覧ください。
1. 希望条件を整理する
転職する職場に求める希望条件は、人によって様々です。
ある人の条件は、年収が高いことかもしれませんし、ある人は福利厚生が充実していることかもしれません。
また、資格試験の取得支援をしていること、キャリアアップできること、家庭と両立できることなど、人によって求める条件は異なるのです。
転職活動を成功させるために、まずは希望条件を明確にすることが重要です。
1-1. 希望条件が明確でないと転職に失敗することもある
もし今の病院が嫌いで、そこから離れることだけが目的になっているようなら、転職活動はきっとうまく行かないでしょう。
なぜなら、希望条件が明確でない方は、入れそうな病院ばかり応募する傾向が強いからです。
その結果、前職とほとんど変わらないか、それ以下の待遇や人間関係の職場に就職してしまい、「転職しなければよかった」と後悔することになります。
1-2.希望条件を明確にするメリット
転職活動をする中で希望条件が明確になっていれば、応募する病院を選ぶ段階で条件に該当しない病院を選択肢から外すことができます。
希望条件に合致した求人のみ応募できるので、就職した後で「こんなはずではなかった…」というミスマッチを防ぐことができるのです。
さらに自分がどのように働いていきたいかを明確にすると、面接の際に志望動機を尋ねられても、躊躇なく答えることができます。
明確な意思を持って面接官とやりとりができれば、強いインパクトを残すことも十分に可能です。
2. 希望条件を紙に書き出す
仕事を探す上での希望条件を聞かれても、すぐに答えられる人は少ないと思います。
そこで、自分が仕事において何を重視しているのか、次の①~⑦を参考に思い付いたものを紙にどんどん書き出しましょう。
自分の希望を紙に書き出すと希望条件を可視化できるため、条件をまとめやすくなるメリットがあります。
2-1. 仕事内容
仕事内容に関する条件は、例えば次のような内容になります。
- 内科、外科、小児科などの診療科で選ぶ
- 大学病院、総合病院、クリニックなどの診療形態で選ぶ
- これまでの経験が活かせる
- 未経験でも新しい仕事を学べる
- 研究開発環境が整っている
これまでと全く異なる仕事内容で働きたいと考える人もいれば、同じ内容でより深く仕事内容を突き詰めてたいと考える方もいるでしょう。
2-2. 給与
給与に関する条件は、例えば次のような内容になるでしょう。
- 年収○○万円以上アップ
- 特別手当や賞与が出る
- 夜勤や手当がきちんと付く
数字で条件を示すことができるため、自分の中で「◯◯円以上」といった基準を作っておくと、求人を探すときの目安になります。
2-3. 雇用形態
雇用形態に関する条件例としては、例えば次のような内容になるでしょう。
- 勤務地が選べる
- 正社員で良いのか
- パート・アルバイトで良いのか
- 契約社員で良いのか
看護師は、以前は正社員かパート・アルバイトかの2択でしたが、最近は派遣社員や契約社員という雇用形態も選ぶことでできます。
2-4. 休日や勤務時間
休日や勤務時間の条件は、例えば次のような内容になるでしょう。
- 土日祝休み
- 残業がない
- 夜勤がない
- 短時間勤務である
仕事とプライベートとの両立を考えているのであれば、休みの日や勤務時間が希望条件の上位に挙がるかもしれません。
2-5. 福利厚生
福利厚生に関する条件は、例えば次のような内容になるでしょう。
- 育児や託児、介護支援の制度がある
- 社員食堂がある
- 社宅や家賃補助がある
- 資格手当がある
特に小さなお子さんがいる方は、職場が子育てにどれくらい協力的な体制を築いてるのかが重要なポイントとになるでしょう。
2-6. 昇給・昇格・研修制度
昇給・昇格・研修制度に関する条件には、例えば次のような内容になるでしょう。
- 資格取得支援の制度がある
- 手厚い研修を受けることができる
- 評価制度が明確である
キャリアアップを目指す方は、病院の教育研修制度がどれくらい充実しているのかがポイントになるでしょう。
2-7. 経営方針
経営方針についての条件は、例えば次のような内容になるでしょう。
- 地域に根ざした医療を届ける
- 常に最先端の医療体制を整える
- チーム医療を重視している
自分が目指す方向性と病院の経営方針が合致するか否かは、仕事をしていく上でのモチベーションの維持に関係してきます。
3. 希望条件に優先順位を付けるポイント4つ
希望条件を紙に書き出せたら、次の4つのポイントを押さえたうえで、優先順位を付けていきましょう。
3-1. 希望条件を譲れない条件と妥協できる条件に分ける
順位を付ける際にまずやってほしいことは、希望条件を次の2つに仕分けることです。
- 「譲れない条件」
- 「妥協できる条件」
また、譲れない条件の中でも「絶対に譲れない条件」を上位に位置づけ、自分が転職先に望む希望をより明確化していきます。
例えば、子育てを優先するのであれば、保育園のお迎えがあるから16時には終わる仕事でなくてはならないというのは、譲れない条件となります。
旦那さんが高収入であって、それほど年収に希望がないのであれば、年収の要件は譲っても良い条件になるでしょう。
このような作業を通じて譲れない条件を明確にすると、転職先を探しやすくなるメリットがあります。
3-2.希望条件のハードルを高くしすぎない
「給料が高くて、夜勤がなくて、土日休み…」など、多くの希望条件に合った理想的な職場を求めてしまう気持ちは分かります。
しかし、希望条件のハードルを上げすぎると仕事探しが難しくなります。
そのため、希望条件がたくさんある方は、条件を3つぐらいまで絞ることをおすすめします。
こうすることで、仕事探しが容易になり、自分の希望に合った職場を見つけることができるでしょう。
3-3.上位の希望条件の兼ね合いをチェックする
例えば、休日や勤務時間で「土日祝休み」を最優先としつつ、仕事内容の希望が「病棟勤務」となると、両者を満たす職場は見つからないかもしれません。
この場合、休日や勤務時間で「土日祝休み」を希望するのであれば、「クリニック」や「訪問看護ステーション」が現実的な転職先となるでしょう。
このように、優先順位で上位に挙げた希望条件の兼ね合いをチェックし、応募先を絞り込みやすくなるよう条件を調整することも大切です。
3-4.家族の意見を反映させる
単身者の場合は、バリバリ働いてキャリアアップしたいと思うのであれば、「資格取得支援制度」「研修制度がある」「最先端の医療を行っている」といった条件が上位に来るでしょう。
一方、子育てと両立をしている場合は、どうしても家族のことを考えた仕事選びになります。
この場合の順位付けは「定時に終わる」「残業がない」「夜勤がない」といった条件が上位に位置付けられるでしょう。
このように、家庭状況によって希望条件の順位付けは変わりますので、事前に家族の意見を確認することをおすすめします。
4. 順位付けした希望条件の活用方法
この章では、転職活動の中で順位付けした希望条件をどう活用するのか、具体的にお伝えします。
4-1. 求人に応募する時に活用する
希望条件に優先順位が付いたら、求人票を見て条件を満たしていそうな求人に応募します。
その際に、完全に希望を満たしていなくても、「満たしていそう」と思える求人であれば積極的に応募するようにしましょう。
なぜなら、求人票には全ての情報が明記されているわけではないからです。
そのため、希望条件を完全に満たす求人のみ応募していると、実際には満たしている求人を見失うことになります。
早い段階から求人を絞り込まずに、条件を満たしていそうなところから、どんどん応募してください。
4-2. 面接の志望動機を伝える時に活用する
希望条件が明確になっていれば、次のように面接時にはっきりと志望動機を伝えることができます。
今の病院ではキャリアアップするための制度が整っていないのですが、こちらの病院では資格取得支援の制度があるので応募しました。
今の病院だと子育てと仕事の両立が難しいのですが、こちらの病院では託児所が完備されていて、時短勤務があるので、キャリアップを図りつつ、子育てと両立しながら仕事ができるので応募しました。
単に「キャリアアップしたい」とか「子育てと両立がしたい」というだけでなく、現在の職場と比較することで、新しい病院に貢献しながら自らの希望条件も達成できることが明確に伝わるので、面接官の印象が良くなります。
5. 複数の内定をもらった時の希望条件の活用方法
もし「譲れない条件」が明確でなければ、複数の病院から内定をもらった時に、どの病院を選んだら良いか迷うことになります。
例えば、次の2つの病院から内定をもらったとします。
- 病院A:「譲れない条件」を満たしている病院
- 病院B:「妥協できる条件」を満たしている病院
「譲れない条件」が曖昧ですと、病院Aが自分の理想の転職先にも関わらず、誤って病院Bに転職してしまう恐れがあります。
そして、実際に働いてみて「こんなはずではなかった…」という残念な状況に陥るのです。
まずは「譲れない条件」を明確にしましょう。
そして、もし内定を複数もらったら「譲れない条件」を満たしている病院を迷わず選ぶようにしてください。
「譲れない条件」が元々の転職活動を始めた動機で、それを満たしている病院こそがあなたが看護師として進むべき道だからです。
6. 看護師転職サイトの活用が転職成功のカギ
希望条件を書き出す際の参考として、7つの条件(①仕事内容、②給与、③雇用形態、④休日や勤務時間、⑤福利厚生、⑥昇給・昇格・研修制度、⑦経営方針)をご紹介しました。
実は、もう一つ、よく挙がる転職先に求める条件があります。
それは「人間関係」です。
人間関係の良し悪しは求人票で伺うことができませんので、優先順位として挙げるのは難しいと思いますが、実は「離職率」や「職場の平均年齢」である程度判断することができます。
そこでおすすめなのが、看護師転職サイトの活用です。
転職サイトのキャリアアドバイザーは、日頃から病院の情報収集を行ってるため、離職率や職場の平均年齢はもちろんのこと、上司の評判や人間関係などの「内部情報」を掴んでいます。
病院の内部情報とは、職場の給与、福利厚生、人間関係、離職率、残業時間、有休取得率などの情報のことです。内部情報は、本来であれば実際に働かなければ分からない情報であり、事前に把握することで入職後のミスマッチを防ぐことができます。
会員登録すれば、求人紹介の時に病院の内部情報も教えてくれます。
”失敗しない転職” をするためにも、看護師転職サイトを積極的に活用しましょう。
7. まとめ
看護師として新しい職場を探すのであれば、転職先に求める条件を紙にどんどん書き出してみましょう。
そして、それに順位付けをして、その順位をもとに、求人票をチェックし、新しい職場選びに利用していけば、自分が本来望む職場を見つけやすくなります。
また、看護師転職サイトを使えば、これらの活動をさらにスムーズに行うことができるのでおすすめです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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