- 「突然の異動命令に戸惑っています…」
- 「なぜ自分が異動対象になったのかわからない」
- 「馴染みのない新しい部署での仕事に不安しかない」
このような疑問や不安を抱えている看護師の方は多いのではないでしょうか。
部署異動は看護師にとって避けられない宿命であり、突然の辞令に戸惑ったり、なぜ自分が選ばれたのか納得できなかったりと、ストレスを感じる方も少なくありません。
しかし、異動を前向きに捉え、新たな環境に順応していくことが看護師のキャリアアップには欠かせません。
本記事では、看護師の部署異動について以下の点を詳しく解説します。
- 異動の一般的な頻度と時期
- 部署異動の主な理由
- 異動を拒否することは可能か
- 異動のメリットとデメリット
本記事を読むことで、部署異動に対する疑問や不安が解消され、異動を前向きに捉えることができるようになるでしょう。
1. 異動の頻度と時期
![no10_看護師がポイントを紹介する姿(1)_A](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2024/06/3c60d0e80fac016305ca0b525c9f450e-1024x747.jpg)
看護師にとって異動は避けられないものですが、その頻度や時期は様々です。異動の流れや背景を理解することは、キャリアを積む上で重要なポイントとなります。
この章では、看護師の異動の頻度と時期について詳しく解説していきます。
1-1. 看護師の異動通達までの一般的な流れ
看護師の異動は、多くの場合、年度の始まる4月と折り返しの10月に集中して実施されます。異動の通達方法は職場によって様々で、看護師長や看護部長から事前に指示が出されることがある一方、突如として掲示板に掲示されるケースや、直接配属先を伝えられることもあるでしょう。
さらに、異動の約1ヶ月前に希望調査が行われる場合もありますので、自身のキャリアビジョンについては、調査面談の際に明確に伝えておくことが重要です。
![駒田](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2021/12/095161bac1dba4383e91492ea864c445.png)
異動は、看護師のキャリア形成や職場の活性化において重要な役割を担っています。ポジティブに受け止め、自身の成長の機会として活用していきましょう。
1-2. 2~3年ごとに定期的な人事異動が行われる
看護師の部署異動の頻度と時期は、医療機関によって異なります。
多くの病院では2~3年ごとに定期的な人事異動が行われますが、中には5年以上の長いスパンで異動を行うところもあります。また、新しい診療科の設置や病棟の改編などの際には、前回の異動からわずか数ヶ月で配置換えが行われるケースもあります。
一方、何年ごとと定めずに、状況に応じて最適なタイミングで異動を実施する病院も存在します。
1-3. 異動は突然発令されるケースも少なくない
看護師の部署異動は、突然発令されるケースが少なくありません。年度替わりなど定期的に異動が行われる病院では心構えができますし、事前に上司から打診があれば考える余裕もあります。
しかし、突然の辞令に、多くの看護師は戸惑いを感じるでしょう。
- やっと慣れてきた仕事を手放す不安
- 一から新たな業務を覚えるプレッシャー
- 異動先の人間関係への不安
など、様々な不安が頭をよぎります。
突然の異動命令に必要以上に不安にならないためにも、日頃から心構えをしておくことが大切です。異動はキャリアアップのチャンスでもあると前向きに捉え、柔軟に適応していく姿勢を持ちましょう。
2. 部署異動には3つの理由がある
![no10_看護師がポイントを紹介する姿(1)_C](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2024/06/e261d1c53827dcba7dcf6244dbaa9ff3-1024x747.jpg)
看護師の部署異動は、単なる人事の決定ではなく、様々な理由に基づいて行われています。異動の理由を知ることで、自身のキャリアプランを立てる際の参考にもなるはずです。
この章では、部署異動の3つの主な理由について、詳しく解説していきます。
2-1. 部署異動の理由①:職員の育成
部署異動の主な理由の1つは、職員の育成です。看護師が1つの診療科だけで長く働いていると、得られる経験や知識が限定されてしまいます。
そのため、様々な部署を経験させることで、新たな知識やスキルを身に付けさせることが異動の大きな目的となります。特に新卒ナースの場合、最初の3~4年で基礎的な技術や知識を学び、その後は他部署での経験を積むことでスキルアップを図ります。
例えば、以下のような異動が行われます。
- 内科で基礎を身につけた看護師を外科に異動させ、新たな分野を学ばせる
- 小児科に異動させ、小児医療についての専門的なケアを習得させる
このように、それぞれの看護師の適性や能力を伸ばすための異動が実施されるのです。
2-2. 部署異動の理由②:人員の調整
部署異動のもう1つの主な理由は、人員の調整です。産休や育休、退職などにより、人員が不足する部署が出てくることがあります。
そのような場合、単に人数を補填するために異動させるのではなく、診療科ごとの看護師の能力バランスを維持することが重要です。また、夜勤などの勤務条件に不公平がないように配慮することも必要不可欠です。
病院全体として最適な人員配置を実現するためには、複数の診療科で同時に異動が行われることもよくあります。1つの部署の欠員が、他の部署にも影響を及ぼすのです。
人員調整の際は、各看護師のスキルや経験、勤務状況などを総合的に判断して異動先が決定されます。
2-3. 部署異動の理由③:人間関係の調整
部署異動の理由として、人間関係の調整も挙げられます。職場内には様々な人間関係が存在し、時にはトラブルに発展し職務に支障をきたすこともあります。
- 業務がスムーズに進まない
- 退職者が出てしまう
などの事態になると、部署内での解決が困難になります。
他の職員から苦情が出ていることもあるでしょう。しかし、どの職場にも多少の人間関係の軋轢は付き物です。些細な問題で異動を行うのは現実的ではありません。
人間関係の調整を目的とした異動は、問題が深刻化した場合に限られます。上司が職場の状況を見極め、関係者の意見を踏まえた上で慎重に判断するでしょう。
3. 異動が納得できないときは拒否できる?
![no14_看護師が考えている姿(クエスチョンマーク)(1)_A](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2024/06/715d0910667adf2df6e8033924c52a48-1024x747.jpg)
看護師の異動は、病院側の人事方針に基づいて行われるため、個人の意向が反映されないこともあります。異動に不満を感じた場合、どのように対処すべきなのでしょうか。
この章では、異動が納得できないときの対応について、具体的な例を交えながら説明します。
3-1. 人事異動の拒否は原則として認められない
病院に限らず、一般的な企業では人事異動の命令権が認められています。就業規則にもその旨が記載されているはずです。
したがって、基本的には人事異動を拒否することはできません。「不安」や「不満」を理由とした拒否は認められないのです。
ただし、雇用側には以下の条件を守る義務があります。
- 業務上に必要な異動であること
- 悪意がないこと
- やむを得ない事情を考慮すること
不当な理由による異動は、雇用側の職権乱用として訴えることも可能です。しかし、裁判をしてまで争うのは現実的ではありません。
3-2. 異動の拒否が認められるケース
看護師は原則として異動命令に従わなければなりませんが、以下のような場合には例外的に拒否することができます。
- 業務上、異動の必要性がない
- 不当な動機や目的を感じる
- 異動によって大きな不利益が生じる
もし自分の受けた異動命令に違和感や不当性を感じたら、労働組合などに相談してみましょう。
過去には、上記に該当する配置転換命令が「人事権の濫用」とみなされ、異動が取り消された事例もあります。確実に命令を拒否できる保証はありませんが、相談してみる価値は十分にあります。
3-3. どうしても異動が受け入れられない場合
看護師にとって、不本意な部署への異動命令は、キャリアの方向性を大きく狂わせる出来事かもしれません。 そのような状況に直面した際、最後の手段として検討できるのが、退職の意思を示すことです。
ただし、この選択肢は慎重に用いる必要があります。 上司を脅すような言動は、職場の信頼関係を損ねる恐れがあるからです。
もし、自分の目指すキャリアと大きく方向性が異なる場合は、退職を検討していることを匂わせるのも一つの方法です。
正式な辞令が出された後では、拒否の余地はほとんどありませんが、打診の段階であれば、「○○部署への異動となるのであれば、退職も考えざるを得ません」と、意思表示することで、希望が通る可能性もあります。
4. 部署異動のメリット
![no05_看護師が喜んでいる姿(2)_A](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2024/06/e57241c18911b1530a5fd5fa2ecbae20-1024x747.jpg)
看護師の部署異動は、新たな環境で自身のスキルを磨く絶好の機会です。慣れ親しんだ職場を離れることに不安を感じるかもしれませんが、異動にはキャリアアップや人間関係の構築など、様々なメリットが存在します。
この章では、部署異動のメリットについて詳しく解説していきます。
4-1. 異動は成長するチャンス
看護師にとって、異動は成長するまたとない機会です。同じ部署では毎日の仕事も決まっており、新たな発見が少なくなります。しかし、違う部署で新しい仕事を覚える過程で、さらなるスキルが身に付くことでしょう。
産婦人科、小児科、内科、外科、緊急医療、老人医療など、さまざまな分野を経験することで、新生児から終末期の老人まで幅広い患者さんに対応できる一人前の看護師に成長できます。
看護技術だけでなく、人間的な成長という意味でも、異動経験は大いに役立ちます。
4-2. 職場環境をリセットできる
異動は新たな職場環境でやり直すチャンスです。前の部署で上手くいかなかった人間関係やミスを引きずる必要はありません。
新しい環境では、一から信頼関係を築くことができます。また、今までと違う雰囲気の中で働くことで、新鮮な気持ちを取り戻せるかもしれません。
慣れ親しんだ環境から離れるのは不安かもしれませんが、異動をきっかけに心機一転、新たな気持ちで仕事に臨むことが大切です。
5. 部署異動のデメリット
![no06_看護師が困っている姿(1)_A](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2024/06/d850b057ad2166977417c4ba6d4a14ac-1024x747.jpg)
看護師の部署異動は、新たな環境での適応が求められるため、一時的なストレスを伴うことがあります。慣れない職場や業務に戸惑いを感じるのは自然なことですが、時にはそれが大きな負担となることも。
この章では、部署異動のデメリットについて詳しく解説していきます。
5-1. 新しい職場環境になれる必要がある
異動すると、今までとは全く違う職場環境に適応しなければなりません。新しい部署では、業務内容や使用する機器、システムなどが異なる場合があります。ゼロから学び直す必要があるため、一時的に仕事の効率が落ちるかもしれません。
また、勤務時間や休暇の取得ルールが変わることもあるでしょう。生活リズムの変化に戸惑うこともあるかもしれません。
異動に伴うストレスは大きいものです。心身ともに疲れを感じやすくなるため、体調管理には十分な注意が必要です。
5-2. 人間関係のトラブルに巻き込まれる恐れがある
新しい部署では、今まで築いてきた人間関係をゼロからスタートさせる必要があります。特に、異動先の部署が人間関係で問題を抱えている場合、その問題に巻き込まれてしまう可能性があります。
職場の雰囲気が悪かったり、パワハラやセクハラなどの問題が潜んでいたりすると、異動してきた看護師にとって働きにくい環境となるでしょう。また、自分が上手く溶け込めず、浮いた存在になってしまうことへの不安も大きいかもしれません。
6. 異動を前向きに捉えることが大切
![no04_看護師が喜んでいる姿(1)_A](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2024/06/f3afc15d8932e7dbe0dffe753d1e87a0-1024x747.jpg)
看護師の部署異動は、時にストレスを伴うこともありますが、新たな環境で自身を成長させるチャンスでもあります。異動先での経験や出会いは、看護師としてのスキルアップに大きく貢献するでしょう。
この章では、異動を前向きに捉えることの大切さについて詳しく解説していきます。
6-1. 「住めば都」前向きな気持ちを大切に
異動に不安を感じるのは、異動先が未知の場所だからではないでしょうか。自分の思い込みで、今の部署の方が良いと判断してしまうこともあります。
しかし、実際に異動してみると、
- 新しい経験ができる
- 新しい仲間や患者さんとの出会いがある
- 視野が広がり成長できる
- スキルアップになる
など、自分にとってプラスになったという声は多いのです。
同じ場所にとどまっていれば楽かもしれません。しかし、環境の変化を恐れずに、新たなチャレンジで成長を遂げることを楽しむ気持ちが大切です。
異動先での生活に慣れれば、「住めば都」となり、新しい職場で充実した日々を送れるようになるでしょう。
6-2. キャリアアップや生活環境に合わせて異動を検討しよう
異動は、病院側からの一方的な辞令というイメージがありますが、看護師自らが申し出ることも可能です。
自ら異動を希望する理由には、
- 今の部署で十分に経験を積んだため、違う分野を経験したい
- 今の部署が合わない
- 業務過多で心身に影響が出ている
- 介護や育児などの家庭の事情
- もっとキャリアアップできる部署で自分を鍛えたい
などがあります。
異動先の部署がどうしても合わなければ、異動希望を伝えるのも一つの方法です。全ての希望が聞き入れられるわけではありませんが、後者3つの理由なら、比較的受け入れられやすいでしょう。
自分のキャリアプランや生活環境に合わせて、能動的に異動を検討してみるのも良いかもしれません。
6-3. 異動では解決できない問題は転職で解決!
不本意な異動で納得できないならば、退職して新しい病院で働くという選択肢もあります。働く病院を変えることで、不満を解消できるかもしれません。
一口に病院といっても、経営母体や医療方針などによって、人事異動制度も違ってきます。また、職場の環境や雰囲気も千差万別です。
職場を変えたら、
- 働きやすくなった
- キャリアアップを応援してくれた
- 人間関係に悩まなくなった
などというケースは珍しくありません。
異動では解決できない問題を抱えている場合、転職という選択肢を検討してみるのも一つの方法です。
看護師は人手不足の職種であるため、経験を積んだ看護師を歓迎する病院は多いでしょう。自分に合った職場を見つけることで、キャリアアップを図ることができるかもしれません。
7. 看護師のキャリアアップを支える転職サイト3選
![no22_おすすめ看護師転職サイト3選_D2](https://jobanus.com/wp-content/uploads/2024/06/0d175387f60356c93de62120b9229b50-1024x747.jpg)
キャリアアップや職場環境の変化を望む際、部署異動も一つの選択肢ですが、新たな職場への一歩を踏み出すことで、さらなる可能性が広がります。
特に「看護roo!」は、最適な職場環境や待遇を見付けるための手厚いサポートを提供してくれます。
ただ、どのサイトも担当者の良し悪しでサポートの質が変わることがあります。そのため、複数のサイトに登録して比較することが重要です。各サービスでは求人情報の提供だけでなく、履歴書の添削や面接対策も行っています。
転職活動を効率よく進めたい方は、2~3社まとめて登録するようにしましょう。
看護師転職サイトは、以下のような理由から、2~3社の転職サイトに登録しておくことで、より自分に合った転職が可能です。
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もし「このサイトは使えないかも」と思った場合も、メールで簡単に退会できます。ですから、転職サイトは2~3社まとめて登録し、多角的に転職活動を進めてみてください。
ここでは、JOBANUSがおすすめする看護師転職サイトを3社ご紹介します。
7-1. 看護roo!(看護ルー)
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対応年齢 | 20代 30代 40代 50代 |
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公式サイト | https://www.kango-roo.com/career/ |
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7-2. レバウェル看護師(旧看護のお仕事)
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レバウェル看護師(旧:看護のお仕事)は、転職を考える看護師さんに手厚いサービスを提供する業界トップクラスの転職サイトです。その信頼性から「友達に勧めたいサービスランキング」で1位に輝いています。
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そして何より、忙しい看護師さんでもLINEで気軽に相談ができ、キャリアアドバイザーからも丁寧な情報提供が受けられます。
運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア24F、25F |
会社の拠点 | 全国11拠点(東京、大阪、名古屋、埼玉、広島、立川、船橋、横浜、札幌、福岡、京都) |
公開求人 | 12.3万件 |
対応年齢 | 20代 30代 40代 50代 |
求人職種 | 正看護師、准看護師、助産師、保健師 |
対応地域 | 全国 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://kango-oshigoto.jp |
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7-3. ナース人材バンク
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転職を検討する看護師さんにとって、確かなサポートと多様な選択肢を提供するこのサイトは、一考の価値があります。
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8. まとめ
今回の記事では、看護師の部署異動について説明しました。
「なぜ自分が異動対象になったのか分からない」「馴染みのない新しい部署での仕事に不安しかない」といった悩みを抱える看護師は、本記事で紹介した下記の重要なポイントをおさえることで、異動を前向きに捉えることができます。
- 異動は2~3年ごとに定期的に行われることが多く、看護師のキャリア形成に重要な役割を果たす
- 部署異動の主な理由は、職員の育成、人員の調整、人間関係の調整の3つである
- 異動を拒否することは原則認められないが、不当な異動命令には異議を唱えることができる
- 異動はスキルアップや視野を広げるチャンスであり、前向きに捉えることが大切
何より大事なことは、異動を自身の成長の機会と捉え、新しい環境に適応していく柔軟な姿勢を持つことです。
また、どうしても現在の職場に馴染めない場合は、転職という選択肢もあります。そのため、看護師転職サイトを活用してキャリアアドバイザーに悩みを相談したり、条件に合った職場を効率良く探すことをおすすめします。
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以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。