看護師から保健師への転職と仕事内容の徹底解説

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[PR]本記事には、マイナビ・リクルート等のサービスのプロモーションを含みます。また、記事内の口コミは、看護師の方々から寄せられた声の一部を掲載しています。

  • 「保健師への転職は、キャリアアップになるのかな…」
  • 「行政職は夜勤がなくて魅力的だけど、本当に向いているのかな」

このような疑問をお持ちではないでしょうか?

看護師として経験を積んだ後のキャリアパスとして、保健師への転職を検討する方が増えています。

本記事を読めば次のことがわかります。

  • 保健師の仕事内容や種類、なり方から、平均年収まで徹底解説
  • 保健師として働くメリット・デメリットを実践的な視点から詳しく解説
  • 保健師に向いている人・向いていない人の特徴と、おすすめの転職サイト

看護師から保健師への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。自分に合った保健師としてのキャリアプランが見えてくるはずです。

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1. 保健師とは

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保健師は、地域社会の健康を守る専門家です。個人や集団の健康増進、疾病予防に重点を置き、幅広い公衆衛生活動を行います。

保健師の主な役割は、健康課題の把握と解決策の提案です。具体的な業務内容には以下のようなものがあります。

  • 健康診断の実施と結果に基づく保健指導
  • 地域住民への健康教育や啓発活動
  • 感染症対策や予防接種の管理
  • 母子保健や高齢者保健などの特定分野での支援

保健師は、行政機関や企業、学校など、様々な場所で活躍しています。特に、保健所や市町村の保健センターでの勤務が多く、地域に根ざした活動を展開しています。

看護師が主に医療機関で個別の患者ケアに従事するのに対し、保健師はより広い視点で健康管理に取り組みます。予防医学の観点から、健康的な生活習慣の促進や環境改善にも力を入れています。

保健師の資格を取得しても、看護師としての臨床経験を積むことは重要です。両方の視点を持つことで、より効果的な健康支援が可能になります。

2. 保健師と看護師の違い

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保健師と看護師は、同じ看護の基盤を持ちながらも、役割と活動の場が大きく異なります。この違いを理解することは、キャリア選択の上で重要です。

主な違いは以下の点にあります。

保健師と看護師の違い
  保健師 看護師
仕事内容
  • 保健指導
  • 病気やけがの治療
対象者
  • 地域住民 など
  • 傷病者 など
勤務先
  • 市町村(保健センター)
  • 保健所
  • 病院、クリニック
  • 企業の健康管理室
  • 学校の保健室
  • 病院、クリニック
  • 訪問看護ステーション
  • 介護施設
  • 在宅介護支援センター
  • 保育園

保健師はより広い視野で健康問題に取り組み、予防医学の実践者として活躍します。一方、看護師はより専門的な医療知識を活かし、患者の直接ケアに従事します。

両者の連携が、包括的な健康支援を可能にしています。

看護師から保健師へのキャリアチェンジは、より広い視野で健康に貢献したい方に適しています。ただし、臨床経験は保健師としても貴重な資産となります。

3. 保健師の種類と仕事内容

046_3-0_保健師の仕事内容

保健師の活動領域は多岐にわたり、それぞれの場所で独自の専門性を発揮しています。行政、企業、学校、病院、地域包括支援センターなど、様々な場面で人々の健康を支えています。

この章では、保健師の種類と各分野での具体的な仕事内容について詳しく解説していきます。

3-1. 行政保健師

行政保健師は、地域住民の健康を守る最前線で活躍する専門家です。主に保健所や市町村の保健センターで勤務し、地域全体の健康増進と疾病予防に取り組みます。

行政保健師の主な業務内容は以下の通りです。

  • 健康診断の企画・実施と結果に基づく保健指導
  • 感染症対策や予防接種の管理
  • 母子保健や高齢者保健などの特定分野での支援
  • 地域の健康課題の分析と対策立案
  • 健康教育や啓発活動の実施

行政保健師は、幅広い年齢層を対象に活動し、地域特有の健康問題に対応します。また、他の行政部門や医療機関との連携を図り、総合的な健康支援システムの構築に貢献します。

キャリアパスとしては、経験を積むことで管理職になる道も開かれており、政策立案にも関与する機会があります。

行政保健師は公務員として働くため、安定した雇用環境が魅力の一つです。ただし、地域によって業務内容や待遇に違いがある場合があるので、応募前に詳細を確認することをおすすめします。

駒田
駒田

行政保健師は地域全体の健康を守る重要な役割を担っています。夜勤がなく、育児との両立もしやすいですが、地域の健康危機管理には責任が伴います。臨床経験を活かしつつ、予防医学の視点を身につけることで、より効果的な健康支援が可能になります

3-2. 産業保健師

産業保健師は、企業内で従業員の健康を守る専門家です。労働者の健康管理と職場環境の改善を通じて、企業の生産性向上従業員の健康増進を両立させる重要な役割を担っています。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 定期健康診断の実施と結果に基づく保健指導
  • メンタルヘルスケアとストレスチェックの実施
  • 職場環境の改善提案と実施
  • 健康教育や啓発活動の企画・運営
  • 従業員からの健康相談対応

産業保健師は、予防医学の視点から従業員の健康リスクを早期に発見し、適切な対策を講じます。また、労働安全衛生法に基づく各種施策の実施も重要な責務です。

近年は、健康経営の概念が普及し、産業保健師の役割がより重要視されています。ワーク・ライフ・バランスの推進にも貢献しており、企業の人事部門とも密接に連携しています。

産業保健師は比較的安定した勤務環境で働けますが、企業文化や経営方針の理解も求められます。ビジネススキルを磨くことで、キャリアの幅が広がる可能性があります。

3-3. 学校保健師

学校保健師は、教育現場で生徒と教職員の健康を守る専門家です。主に保健室を拠点とし、心身両面からの健康支援を行います。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 定期健康診断の実施と事後指導
  • 応急処置と救急対応
  • 健康教育の企画と実施
  • 生徒・教職員の健康相談
  • 学校環境衛生の管理
  • メンタルヘルスケアとカウンセリング

学校保健師は、成長期にある生徒の健康管理に重点を置き、健康的な生活習慣の形成を支援します。また、いじめや不登校などの問題にも関わり、学校全体の健康的な環境づくりに貢献します。

多くの場合、養護教諭の資格が必要となりますが、保健師資格を持つことでより専門的な健康支援が可能になります。

学校保健師は教育者としての側面も求められます。生徒の発達段階に応じた対応や、教職員との連携能力が重要になるため、教育や心理学の知識を深めることをおすすめします。

3-4. 病院保健師

病院保健師は、医療機関内で予防医学と健康促進を担う専門家です。主に健診センターや地域連携室に所属し、患者の健康管理と地域との橋渡し役を務めます。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 健康診断の実施と結果に基づく保健指導
  • 患者への退院支援と在宅療養指導
  • 感染症対策と院内感染防止の管理
  • 地域の医療機関や福祉施設との連携
  • 健康教育プログラムの企画・実施

病院保健師は、医療と予防の両面から患者をサポートし、入院から退院後の生活まで一貫した健康支援を提供します。また、地域包括ケアシステムの一環として、病院と地域をつなぐ重要な役割も果たしています。

看護師としての臨床経験を活かしつつ、より広い視野で健康管理に取り組める点が特徴です。

病院保健師は、医療チームの一員として他職種との連携が求められます。コミュニケーション能力を高め、チーム医療の中で保健師の専門性を発揮することが重要です。

3-5. 地域包括支援センター

地域包括支援センターの保健師は、高齢者の総合的な生活支援を担う専門家です。地域包括ケアシステムの中核として、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう支援します。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 介護予防プログラムの企画・実施
  • 高齢者とその家族への相談支援
  • 地域のケアマネジメント
  • 多職種連携のコーディネート
  • 地域の健康課題の分析と対策立案

保健師は、医療・保健・福祉の知識を活かし、高齢者の心身の健康管理から社会参加の促進まで幅広くサポートします。また、地域のネットワーク構築にも貢献し、包括的な支援体制の確立に努めています。

この分野は、高齢化社会に伴いニーズが高まっており、保健師の活躍の場が広がっています。

地域包括支援センターでの経験は、地域の健康課題を総合的に理解する良い機会となります。多職種との連携スキルを磨くことで、キャリアアップの可能性も広がります。

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4. 保健師になる方法

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保健師になるためのプロセスは、個人の背景によって異なります。看護師免許の有無によって必要な手順や教育課程が変わってきますが、いずれの場合も専門的な知識と技能の習得が求められます。

この章では、保健師になるための具体的な方法と必要な資格取得のプロセスについて詳しく解説していきます。

4-1. 看護師免許を持っている場合

看護師免許を持っている方が保健師になるには、追加の教育と国家試験の合格が必要です。具体的には、以下の手順を踏みます。

  • 保健師養成課程を1年以上修了する
  • 修了後、保健師国家試験を受験し合格する

保健師養成課程の選択肢には以下があります。

  • 大学院の修士課程
  • 大学の3年次編入
  • 保健師専攻の大学・短期大学
  • 専門学校の保健師課程

この方法は、看護師としての経験を活かしつつ、より専門的な知識とスキルを身につけることができます。キャリアアップ職域拡大を目指す看護師にとって、有効な選択肢となります。

保健師養成課程を選ぶ際は、自身のキャリアプランや生活状況に合わせて、通学制や通信制など、最適な学習形態を選択することが重要です。

駒田
駒田

保健師資格取得を目指す場合は、まず1-2年の臨床経験を積むことをお勧めします。臨床での経験は保健指導の質を高め、住民との信頼関係構築にも役立ちます。資格取得後は即戦力として評価されやすくなります。

4-2. 看護師免許を持っていない場合

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看護師免許を持っていない方が保健師になるには、看護師と保健師の資格を同時に取得する必要があります。主な手順は以下の通りです。

  • 4年制大学の看護学部または保健師養成課程のある専門学校に進学
  • 在学中に看護師と保健師の両方の科目を履修
  • 卒業年度に看護師と保健師の国家試験を同時に受験

この方法は最短ルートですが、以下の点に注意が必要です。

  • 短期間で多くの内容を学ぶ必要がある
  • 両方の国家試験に合格する必要がある
  • 保健師養成課程が選択制の場合、選抜審査がある可能性がある

看護師資格の取得が保健師になるための前提条件であることを忘れないでください。

保健師養成課程のある学校を選ぶ際は、カリキュラムの内容や合格実績だけでなく、実習先や就職支援体制についても確認することをおすすめします。

5. 保健師の平均年収

46_3-0_平均収入

保健師の平均年収は、一般的に病院勤務の看護師よりも高い傾向にあります。主な理由は、勤務先の多くが待遇面で充実した大企業や公務員であることです。

保健師の年収の特徴
  • 年収範囲:通常400万円~700万円程度
  • 勤務形態:ほとんどが正社員や正規職員
  • 待遇:年次昇給やボーナス支給が一般的

保健師の仕事は、夜勤や残業が少ないことも特徴です。これにより、ワークライフバランスを保ちやすいという利点があります。

一方で、高待遇と安定した勤務環境が魅力となり、保健師の求人は競争率が非常に高い状況です。転職を考える場合は、粘り強く求人を探す姿勢が必要です。

年収は地域や勤務先の規模によっても異なります。求人を見る際は、給与以外の待遇(福利厚生など)も含めて総合的に評価することをおすすめします。

6. 保健師として働くメリット

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保健師として働くことには、多くの魅力的な側面があります。社会への貢献、幅広い活躍の場、ワークライフバランスの充実など、様々な観点からそのメリットを考えることができます。

この章では、保健師として働くことの具体的なメリットについて、詳しく解説していきます。

6-1. 社会貢献度が高い

保健師として働く最大のメリットの一つは、高い社会貢献度にあります。保健師は地域全体の健康増進に直接的に関わり、大きな影響を与えることができます。

具体的な社会貢献の形として以下が挙げられます。

  • 予防医療の推進による疾病リスクの低減
  • 健康教育を通じた地域住民の生活の質向上
  • 公衆衛生政策への関与による社会システムの改善

特に行政機関で働く保健師は、公共性の高い仕事に従事することで、より広範囲な影響力を持ちます。この役割を通じて、個人の健康だけでなく社会全体の健康に貢献できる点が、保健師の仕事の大きな魅力となっています。

この社会的な意義が、多くの保健師に強い使命感職業的満足感をもたらしています。

社会貢献度の高さは精神的な報酬となりますが、同時に責任も伴います。自己研鑽を続け、常に最新の健康情報や社会動向に注目することが重要です。

駒田
駒田

保健師は単なる健康管理ではなく、地域全体の健康づくりのリーダーとして活躍できます。特に予防医療の推進は、医療費削減にも貢献する重要な役割です。やりがいを感じやすい職種といえるでしょう。

6-2. 活躍できる業種が多岐に渡る

保健師の大きな魅力の一つは、活躍できる場所や業種が多岐にわたる点です。この特徴は、キャリアの選択肢を広げ、個人の興味や適性に合わせた職場選びを可能にします。

保健師の主な活躍の場は以下の通りです。

  • 行政機関(保健所、市町村保健センターなど)
  • 企業(産業保健師として)
  • 教育機関(学校保健師として)
  • 医療機関(病院の健診センターなど)
  • 地域包括支援センター

特に行政機関での需要が高く、保健師の約半数以上がこの分野で働いています。これは、全国各地で働く機会があることを意味します。

また、各分野での役割や業務内容が異なるため、自身の興味や専門性を活かしたキャリア形成が可能です。

多様な活躍の場があるからこそ、自身の長期的なキャリアプランを考え、それに合わせた分野選択や専門性の向上が重要になります。定期的に自己のキャリアを見直すことをおすすめします。

6-3. 夜勤や残業が少ない

保健師の仕事は、夜勤や残業が少なく、ワークライフバランスを取りやすいのが大きな特徴です。多くの保健師は、平日の日勤帯を中心に勤務するため、規則正しい生活リズムを維持しやすい環境にあります。

これは、病院や施設で働く看護師とは大きく異なる点です。保健師の主な勤務先である保健所や市町村の行政機関では、基本的に土日祝日が休みとなります。また、平日も定時で帰宅できることが多いため、プライベートの時間を確保しやすくなっています。

このような勤務形態は、以下のような人々にとって特に魅力的です。

  • 育児や介護と仕事の両立を目指している人
  • 自己啓発や趣味の時間を大切にしたい人
  • 長期的なキャリアプランを立てたい人

ただし、地域の健康危機管理などで、緊急時には休日出勤や時間外勤務が必要になることもあります。しかし、そういった場合でも、代休や残業手当などの対応が整っているケースが多いです。

保健師の仕事は地域に密着しているため、地域行事への参加など、休日に活動することもあります。しかし、これらは通常、勤務時間としてカウントされます。

6-4. 高待遇な仕事が多い

保健師の仕事は、高待遇で安定した雇用条件が魅力の一つです。特に、公務員として働く保健師は、福利厚生が充実し、長期的なキャリアプランを立てやすい環境にあります。

保健師の待遇の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 給与水準が比較的高い傾向にあります
  • 年間休日数が多く、ワークライフバランスを取りやすい
  • 昇給や賞与のシステムが整っていることが多い

特に、行政機関で働く保健師は、安定した雇用充実した福利厚生を享受できます。また、民間企業の産業保健師としても、専門性を活かした高待遇の職場が増えています。

保健師の仕事は、地域や職場の健康管理という重要な役割を担うため、その責任に見合った待遇が用意されていることが多いのです。さらに、経験を積むことでキャリアアップの機会も豊富にあり、管理職への道も開かれています。

保健師の待遇は勤務先によって異なります。転職や就職の際は、給与だけでなく、福利厚生や勤務条件なども含めて総合的に判断することが大切です。

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7. 保健師として働くデメリット

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保健師として働くことには多くのメリットがありますが、同時にいくつかの課題や制約も存在します。これらのデメリットを理解することは、キャリア選択において重要な要素となります。

この章では、保健師として働く上で考慮すべきデメリットについて、詳しく解説していきます。

7-1. 看護師としてスキルアップが難しい

保健師として働くと、看護師としての臨床スキルを維持・向上させることが難しくなる可能性があります。これは、保健師と看護師の仕事内容や環境の違いによるものです。

保健師の主な業務は、地域住民の健康管理や予防医療に重点を置いています。そのため、以下のような状況が生じやすくなります。

  • 直接的な医療行為を行う機会が減少する
  • 最新の医療技術や機器に触れる機会が限られる
  • 緊急時の対応スキルを実践で磨くことが難しい

一方で、保健師としては公衆衛生や健康教育のスキルが向上していきます。しかし、将来的に臨床現場に戻ることを考えている場合は、この点に注意が必要です。

この状況を克服するためには、継続的な学習や研修への参加が重要です。また、病院でのパートタイム勤務ボランティア活動を通じて、臨床スキルを維持する方法もあります。

保健師として働きながら看護師のスキルを維持したい場合は、勤務先に相談し、定期的な臨床研修や学習の機会を設けてもらうことも検討しましょう。

7-2. 病院への転職が難しくなる

保健師として長く働いた後は、病院への再就職が難しくなる可能性があります。これは、保健師と看護師の仕事内容や求められるスキルの違いが主な原因です。

保健師の仕事は主に以下の点で看護師と異なります。

  • 直接的な医療行為よりも予防医療や健康指導に重点を置く
  • 地域全体の健康管理を担当する
  • 行政的な業務が多くなる

これらの違いにより、臨床現場から離れる期間が長くなるほど、以下のような課題が生じる可能性があります。

  • 最新の医療技術や機器の操作に不慣れになる
  • 緊急時の対応力が低下する
  • 病院特有の業務フローに馴染みにくくなる

ただし、保健師としての経験は地域連携や患者教育の面で高く評価されることもあります。また、訪問看護外来看護など、保健師の経験を活かせる分野への転職は比較的スムーズな場合があります。

保健師から病院勤務に戻る際は、最新の医療知識や技術を学ぶための研修プログラムがある病院を選ぶと、スムーズに移行できる可能性が高まります。

7-3. 求人が少ない

保健師の仕事は安定していますが、その一方で求人数が比較的少ないのが現状です。これは、保健師の仕事の特性と雇用環境に起因しています。

保健師の求人が少ない主な理由は以下の通りです。

  • 採用枠自体が限られている(特に公務員として働く場合)
  • 離職率が低く、ポジションの空きが出にくい
  • 多くの保健師が長期的なキャリアを築く傾向がある

このため、希望する地域や職場ですぐに保健師の仕事を見つけるのは難しい場合があるでしょう。特に、都市部や人気の高い自治体では競争率が高くなります。

ただし、産業保健師企業の健康管理部門など、民間での求人は増加傾向にあります。また、高齢化社会に伴い、地域包括ケアシステムの構築が進む中で、保健師の需要は今後さらに高まると予想されています。

保健師への転職を考えている方は、資格取得後すぐに希望の職場に就職できない可能性も考慮に入れ、長期的なキャリアプランを立てることをおすすめします。

駒田
駒田

確かに保健師の求人は看護師と比べて少ないのが現状です。しかし、産業保健師や地域包括支援センターなど、活躍の場は広がっています。資格取得後すぐに理想の職場が見つからなくても、まずは経験を積める場所からスタートすることをお勧めします。

7-4. 職場の異動がある

保健師の仕事では、特に公務員として働く場合、定期的な職場異動があることがデメリットの一つとして挙げられます。これは、組織の方針や地域のニーズに応じて行われる人事異動です。

異動によって生じる可能性のある影響には以下のようなものがあります。

  • 担当する業務内容の変更(例:母子保健から高齢者保健へ)
  • 勤務地の変更(市町村内の異なる保健センターへの異動など)
  • 新しい環境への適応が必要になる

一方で、異動には幅広い経験を積めるというメリットもあります。多様な分野での経験は、保健師としてのキャリアアップ専門性の向上につながる可能性があります。

ただし、民間企業の産業保健師の場合は、公務員ほど頻繁な異動はありません。また、訪問看護ステーションなどでは、比較的異動が少ない傾向にあります。

異動の頻度や範囲は自治体や組織によって異なるため、就職や転職の際には、その点について事前に確認しておくことをおすすめします。

8. 保健師に向いている人

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保健師の仕事には、特定の資質や志向性が適している場合があります。個人の特性や価値観によって、保健師という職業がより魅力的に感じられる人もいます。

この章では、保健師に向いている人の特徴や適性について、具体的に解説していきます。

8-1. 地域コミュニティに貢献したい人

地域の人々の健康と暮らしを支えることに喜びを感じる方にとって、保健師は理想的な職業といえます。保健師の活動は、地域住民の健康増進から疾病予防まで幅広く及びます。

保健師の役割は単なる健康管理にとどまりません。地域コミュニティの中核として、住民と深く関わりながら、健康課題の解決に取り組むことができます。具体的な活動としては以下のようなものがあります。

  • 地域の健康診断や健康相談の実施
  • 母子保健活動や高齢者の介護予防
  • 感染症対策や災害時の保健活動
  • 地域の健康づくりイベントの企画・運営

特に、予防医学の視点から住民の健康を支援できる点は、病院での看護師業務とは異なる魅力があります。また、長期的な視点で住民の健康をサポートできるため、やりがいを感じやすい職種でもあります。

地域の保健活動に参加したり、保健師と交流する機会を持つことで、具体的な仕事のイメージを掴むことができます。

駒田
駒田

保健師は地域の健康課題を把握し、解決策を提案・実行する専門家です。夜勤や残業は少なく、ワークライフバランスも取りやすい職種です。ただし、地域全体の健康管理という責任ある立場なので、コミュニケーション能力と判断力が求められます。

8-2. 夜勤や残業がない職場で働きたい人

ワークライフバランスを重視したい看護師にとって、保健師は理想的な選択肢です。多くの保健師の職場では夜勤がなく、残業も比較的少ないことが特徴的です。

保健師の勤務形態には、以下のような特徴があります。

  • 主に平日の日勤帯での勤務
  • 土日祝日が基本的に休み
  • 年間休日数が120日前後
  • 有給休暇を取得しやすい職場環境

規則正しい生活リズムで働けるため、育児や介護との両立を考えている方にも適しています。また、計画的に休暇を取得できるため、自己啓発や家族との時間を確保しやすいという利点もあります。

ただし、地域の健康危機管理の観点から、感染症の流行時や災害時には、緊急対応が必要になることもあります。それでも、通常の看護師業務と比べると、生活時間をコントロールしやすい職種といえます。

地域の健康フェアや予防接種などの行事がある際は、休日出勤が必要になることもありますが、振替休日で対応できることが一般的です。

9. 保健師に向いていない人

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保健師の仕事は、特定の志向性や価値観を持つ人にとっては適していない場合もあります。個人のキャリア目標や働き方の希望によっては、保健師という選択が最適でない可能性があります。

この章では、保健師に向いていない可能性がある人の特徴について、具体的に解説していきます。

9-1. 看護師としてのスキルアップを目指す人

看護師としての専門的なスキルアップを目指している方には、保健師への転職はお勧めできません。保健師の仕事は予防医学や健康管理が中心となるため、臨床看護のスキルを向上させる機会は限られています

保健師の業務では、以下のような制限があります。

  • 急性期や重症患者のケアの経験を積めない
  • 最新の医療技術や治療に関わる機会が少ない
  • 専門的な看護技術を実践する機会が限定的
  • 認定看護師などの高度な資格取得が困難

臨床現場から離れることで、看護師としての実践的なスキルが徐々に低下する可能性もあります。特に、専門看護師や認定看護師などのキャリアパスを考えている方は、病院での臨床経験を継続する方が望ましいでしょう。

一度保健師として働き始めると、臨床現場への復帰がやや困難になる可能性があります。キャリアプランはしっかりと検討してから決断することをお勧めします。

9-2. たくさんの同僚と働きたい人

チーム医療を重視する方や、多くの同僚との協働を望む方には、保健師は向いていない可能性があります。特に企業や学校などでは、保健師が1人職場となることが一般的です。

保健師の職場環境には、以下のような特徴があります。

  • 医療職の同僚が少ない、もしくはいない
  • 独自の判断で業務を進める場面が多い
  • 他部署との連携が中心となる
  • 医療専門職としての意見を1人で主張する必要がある

自立的に業務を進められる判断力と決断力が求められるため、日々の相談や情報共有ができる同僚を必要とする方には向いていません。また、孤独を感じやすい環境であるため、メンタル面での強さも必要です。

行政機関でも、保健師の配置人数は病院と比べて圧倒的に少なく、同じ専門職との交流機会は限られています。

保健師会や研究会などの外部コミュニティに参加することで、同職種との情報交換や交流の機会を確保することができます。

10. 保健師の転職に強い転職サイト3選

おすすめ転職サイト3選2

効率的な転職活動と成功の可能性を高めたい人は、看護師転職サイトの利用をおすすめします。特に「看護roo!」は保健師の求人数とサポートが充実しているため、初めての転職サイト選びに最適です。

ただ、どのサイトも担当者の良し悪しでサポートの質が変わることがあります。そのため、複数のサイトに登録して比較することが重要です。

各サービスでは求人情報の提供だけでなく、履歴書の添削や面接対策も行っています。転職活動を効率よく進めたい方は、2~3社まとめて登録するようにしましょう。

看護師転職サイトは、以下のような理由から、2~3社の転職サイトに登録しておくことで、より自分に合った転職が可能です。

複数登録のメリット
  • 様々な求人情報にアクセスでき、選択肢が格段に広がる。
  • 自分にぴったりのコンサルタントと出会う確率が上がる。
  • 他社の「非公開求人」や「独占案件」にも目を通せる。
  • 転職サイトの「弱み」を他社で補うことができる。

もし「このサイトは使えないかも」と思った場合も、メール一つで簡単に退会できます。ですから、転職サイトは2~3社まとめて登録し、多角的に転職活動を進めてみてください。

ここでは、おすすめの看護師転職サイトを3つご紹介します。

\おすすめ看護師転職サイト3社/

看護roo!(看護ルー)

年間利用者は2万人以上!利用者満足度は驚異の96.2%を誇る転職サイト

おすすめのポイント
  1. 年間利用者2万人で利用満足度96%以上
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  3. 履歴書と面接サポートが特に手厚い

看護roo!(看護ルー)は、看護師の転職に特化したサイトで、年間2万人以上が利用し、その満足度はなんと96%以上。業界内で高い信頼を集めています。

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面接や履歴書のサポートも手厚く、転職活動が初めての方や不安を感じる方にも強くおすすめできます。

レバウェル看護師(旧看護のお仕事)

日本最大級の12万件以上の求人数を誇る転職サイト!友達に勧めたいサービスランキング第1位

おすすめのポイント
  1. 「友達に勧めたいサービス」で堂々の1位
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レバウェル看護師(旧:看護のお仕事)は、転職を考える看護師さんに手厚いサービスを提供する業界トップクラスの転職サイトです。その信頼性から「友達に勧めたいサービスランキング」で1位に輝いています。

求人数は驚異の12万件以上あり、その数は日本最大級。加えて、病院のリアルな口コミやスタッフの声も確認できます。

そして何より、忙しい看護師さんでもLINEで気軽に相談ができますし、キャリアアドバイザーからも丁寧な情報提供が受けられます。

ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)

顧客満足度NO1!累計100万人以上の看護師が利用する人気の転職サイト

おすすめのポイント
  1. 累計100万人以上の看護師が利用
  2. 地域専任の看護師専門キャリアパートナーが担当
  3. 介護施設など病院以外の求人が豊富

ナース専科 転職(旧ナース人材バンク)は、2023年のオリコン顧客満足度調査で看護師転職部門で総合第1位を獲得累計100万人以上の看護師が利用しており、看護師転職界の信頼性を証明しています。

地域専任の看護師専門キャリアパートナーが個々のニーズに合わせて最適なアドバイスを提供します。また、病院だけでなく、介護施設など多種多様な求人があり、全国どこでも活躍の場が見つかります。

転職を検討する看護師さんにとって、確かなサポートと多様な選択肢を提供するこのサイトは、一考の価値があります。

11. まとめ

今回の記事では、看護師から保健師への転職について説明しました。

看護師から保健師への転職を検討している方は、本記事で紹介した下記の重要なポイントをおさえることで、転職活動をスムーズに進めることができます。

本記事で紹介した重要なポイント】
  • 保健師は予防医療が主な仕事で、病気やけがの治療には対応しない
  • 保健師は行政や企業、学校などが主な職場となり、病院に勤務する保健師はごく少数
  • 保健師の平均年収は看護師と比べて高い傾向があり、夜勤や残業も少ない
  • 保健師として働くデメリットは、看護師としてのスキルアップが難しい点や求人の少なさがある

何より大事なことは、自分に合ったキャリアパスを見つけることです。

また、保健師の求人は少なく、今すぐに仕事を変えたい人にとっては大きなジレンマとなります。そのため、看護師転職サイトを活用してキャリアアドバイザーに悩みを相談したり、条件に合った職場を効率良く探すことをおすすめします。

JOBANUSがおすすめする看護師転職サイト3社は以下のとおりです。迷ったらこの3社を併用することをおすすめします。

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以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

駒田 太一

医療機関の人事担当として活躍中。過去5年間、市立病院で医師・看護師の給与支払いや福利厚生業務を経験し、現在は職員採用や研修の立案・実施を行っています。医療現場の深い理解と経験を基に、看護師の皆様への信頼性の高い情報提供を心掛けています。

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